オーナー制の棚図書館「茶屋町図書館くらげ」(大磯町大磯)で貸し出しを行う「ココハレ書店部」では、不登校などへの理解を深めてもらおうと関連書籍を並べている。大磯や小田原を中心に活動する不登校保護者の会「ココハレ」が設置しているもので、不定期で、不登校や行きしぶりの子どもを持つ家族が対象の「ココハレお茶会」も開催中だ。

「ココハレ」は、不登校の当事者家族のルルビさんとyokoさんが運営する不登校保護者の会。2021年6月に小田原でお茶会を初開催し、今年1月から「茶屋町カフェ」を会場に大磯でもスタート。計11回開催してきた。

中学時代、息子が不登校だったというルルビさんは、「相談先がわからず、親の会に参加するために新幹線に乗って大阪まで行ったこともある」と振り返る。「子どもが学校に行っていない」という少数派に身を置くことで、知り合いとの接点がなくなったり、離れていったりという人間関係の変化や、孤独を感じることもしばしばあった。

現在は自身の経験を生かし、全国の不登校支援を紹介する道案内サイト「未来地図」の運営にも関わっているルルビさん。「学校に行かない理由を説明できるようになったり、学校に行かないことを受け入れられるようになるまでが、子どもも保護者も苦しい」と、フリースクールや居場所に通う前の支援を模索。私設図書館「くらげ」がスタートしたのを機に今年2月、「ココハレ書店部」を開設した。

書棚に並んでいる貸出図書は、すべてルルビさんが目を通したもの。「これは違うな、というものは置いていない。最新のものもあるので、気軽に手に取ってほしい」と話す。

「くらげ」には多様なオーナーの図書棚が並んでいるからこそ、「あまり人に見られたくない方も手に取りやすいのでは。ココハレは『ここから晴れておうちに帰ろう』という意味。抱えている悩みに本が答えてくれるならそれでいい。一人じゃないと伝えたい」と、貸出棚に思いを託していた。「くらげ」の利用者登録をすれば本の貸し出しは無料。

「未来地図」では5月12日(日)に不登校を経験した当事者などが登壇して質問に答えるオンラインの会「miraicafe」を実施する。午後1時30分〜。

対面で話すことができる「ココハレお茶会」は参加無料。カフェ代は自己負担。希望日や希望場所(大磯か小田原)を、「未来地図」内の「ココハレ」ページにある、「問い合わせ」から伝える。