平塚市では妊娠中や産後の子育て家庭に対し、家事や育児のサポートを行う「産前・産後ヘルパー事業」を行っている。市から委託を受けた事業所のスタッフが自宅へ訪問し援助を行うもので、4月1日から新たに「産後ドゥーラ湘南」が派遣事業所に加わった。

「産後ドゥーラ」とは、ドゥーラ協会の認定を受けた有資格者が、産前・産後の母親に寄り添い、家事や育児など日常生活のサポートを担う専門家を指す。資格取得には75時間の講座の受講が必要で、乳幼児の保育実習や産後の食事と調理、救命救急などを学ぶ。

「安心感持って」

産後ドゥーラ湘南は、村上光穂子さん(茅ヶ崎市)と中村和美さん(平塚市)の2人が4月1日に事業をスタートさせた。現在は5人のスタッフで運営する。

2人は2021年、ドゥーラ資格取得のための講座で知り合い、居住地も近かったことから意気投合。ドゥーラは個人事業主にあたるが、平塚市の産前・産後ヘルパー事業を知った村上さんが中村さんに声をかけ、昨年から立ち上げの準備を進めてきた。「実家の母親のような存在になりたい。私たちが訪問したときは、気持ちが緩む時間になれば。安心感を持ってほしい」と声をそろえる。

専業主婦だった村上さんは、3人の子育てが一段落したこともあり、「協力し合い、助け合い、育ちあうことがしたい」とドゥーラの資格を取得。中村さんも、実家から離れた慣れない場所での育児を経験し、「母親たちの力になりたい」とこの道を選んだ。2人は「人に頼ることを恥ずかしがったり、怖がったりしないでほしい。産後の時間を大切に過ごして」と呼びかける。

(問)産後ドゥーラ湘南【URL】https://r.goope.jp/doula-shonan/

利用は1回2時間

産前・産後ヘルパー事業は、母子健康手帳取得後から産後6カ月未満の市に住民票がある妊産婦が利用でき、二次元コードや市ホームページから電子申請で申し込む。利用承認通知等が市から送付され、利用希望日7日前までに派遣事業所に直接電話し、利用日時やサービス内容などの詳細を決める。利用は1回2時間以内で1200円。月〜金の午前9時〜午後5時。

問い合わせはひらつかネウボラルームはぐくみ【電話】0463・59・9570。