「きょうもいい天気ですね」。そんな声をかけながら地元住民にコーヒーを提供する高校生。市内13地区で最も高齢化率が高い湘南大庭で、地元高校生を中心とした子どもたちが地域活性化に向けて活躍している。「マイミライnext」だ。年度が替わり2代目となる今、高校生メンバーは藤沢西高校を中心に15人。中学生、卒業生を含めると21人になる。

その活動の象徴とも言えるのが、昨年4月に湘南大庭市民センターに開設したコミュニティースペース「リエゾン」。中庭をオープンカフェのように仕上げ、月7回、地域の人気店のコーヒーなどを提供。土曜日には高校生メンバーが集い、住民らと交流している。

開設からおよそ1年。利用者はすでに2000人を超え「常連の方も増えてきた」と手応え。夫婦で訪れた60代の利用者に魅力を訪ねると「若い人たちの頑張りを見ると私たちも元気になれる」と相好を崩した。

同団体は、地区内の小学生から高校生までが集まり、議論を重ねて市に提案する活動を続ける「子ども会議マイミライ」から生まれた。

「気軽に立ち寄れる店がない」「高齢者が多いが、世代間交流がない」といった課題に直面したメンバーは代表の細沼惠美子さんら大人と協力し、解決に乗り出した。

現在では、コミュニティスペースのみならず、障害者作業所自慢のパンの販路拡大への協力や、手作りプレゼントを用意した敬老の日企画など季節に応じた様々なイベントを仕掛けている。

今年度は手作り窯でピザづくりや、地域団体を巻き込んだ祭りの企画も始動する。中学生の頃から参加し、今年高校生となった村松彩英さん(15)は「自分たちが大人になった時、いいまちだよ、と自慢できるようになりたい」と語った。

実施日などは同団体ホームページで。

コーヒーと一緒にスマホ相談

地域の高齢者の悩みの中で多いのが「スマートフォンが苦手」。マイミライnextの高校生たちは、その悩みに応えている。

リエゾンでコーヒーを飲みながら使い方を高校生から学ぶ、といった光景が良く見られるという。基本的な使い方なら「私たちで良ければ」と率先して協力しているという。

藤沢市からの協力要請もあり、市民センターで行われるボランティアグループによる「スマホ相談」をフォロー。相談者には飲み物半額券を渡し、「リエゾン」でお茶をしながら復習やまだわからないことを教えているという。

「孫とスマホでつながった」と喜ぶ姿は、メンバーのやりがいだ。「専門的なことはわからないかもしれませんが、気軽に声をかけてください」と原田壮一郎さん(17)は呼び掛ける。