和田で養蜂プロジェクトに取り組む「昭和建設(株)」(工藤圭亮代表取締役)で5月18日、今年初めてとなる採蜜作業が行われ、純度100%の「和田産蜂蜜」が約9kg採取された。取引先などに贈られる予定で、収量に余裕があれば秋に一般にも販売される。

地元の新たな名産品としてハチミツを活用しようと2010年から始まったプロジェクトでは「わだまちミツバチ大作戦」と銘打ち、社屋ビルの屋上を利用して養蜂場を設置。毎年およそ2万匹のセイヨウミツバチを飼育している。

採取したハチミツは「和田」と「ハニー」を掛け合わせ「WANEY(ワニー)」と名付けられ、取引先に贈るほか、地元のイベントなどでも販売され、人気を集めている。15年目となる今年も3月下旬に巣箱を設置していた。

スプーン2杯

ミツバチは一般的に半径およそ2Kmの圏内から花蜜を集めるとされている。同社を中心とすると、圏内には自然豊かな横浜国立大学や県立保土ケ谷公園などが立地。この辺りから花蜜を集めてきていると考えられる。

1匹のミツバチが生涯で集める蜜の量はティースプーン2杯程度。季節により味わいが変化し、春先はあっさり、採蜜が最終盤となる秋になるとコク深い味になってくるという。

甘い香り立ち込める

今シーズン初の採蜜となったこの日は地域に暮らす親子連れら20人も参加した。防護服に身を包んだ同社スタッフが巣箱から巣枠を1枚ずつ取り出し、蜜の詰まり具合を確認し、採蜜作業を開始。蜂が作った巣の蓋を専用のナイフで切り落とすと、ぎっしりと詰まった黄金色の蜜が輝いた。

巣蓋が開いた状態の巣枠を専用の遠心分離機にかけ、蛇口のコックを開き蜜が流れ出すと甘い香りが立ち込めた。集まった純度100%の和田産蜂蜜は9kgほどで、品質も上々だという。参加者は採取した蜜を瓶に詰める作業までを体験。ラベルを貼り付け完成した「WANEY」を1瓶ずつ「アルバイト代」として受け取った。

工藤社長は「我々、建設業は自然界からさまざまな材料を使う。その恩返しが少しでもできれば。年間80kgほどの採蜜を見込んでいる。収量にもよるが秋には一般販売もできれば」と話した。