茅ケ崎駅北口すぐの「カレーハウスブータン」が5月25日(土)をもって閉店する。まだ木造だった駅舎の時代から、茅ヶ崎市民に愛され続けてきた名物店がまた一つ姿を消す。

ブータンが誕生したのは今から43年前。「ワンコインで食べられるカレー店」として人気に火が付いた。一番人気はカツカレー。さくさくのカツにたっぷりのルーが好評の一品だ。また、同じく親しまれているのがセットで付いてくる味噌汁。同店を経営する湘南山鉄のかつおぶしが使われているといい、店長の森田幸男さんは「味噌汁がカレーに合うと喜んでくれる」と話す。

以前は年中無休で店を開け、終電で帰ってくる人たちのためにと、深夜1時まで営業を続けていた。ところが、コロナ禍で営業停止を余儀なくされる。当時を「店を開けたくても開けられない。あれが一番つらかった」と振り返り、「年中無休で知られていたから、それだけにショックだった」と森田さん。昨年からコロナも落ち着いてきたところだったが、自身やスタッフの高齢化に加え、人材不足なども相まって、今年3月に閉店が決まったとされる。

この地で営業するのも残すところあとわずか。森田さんは「ネットで閉店するのを知り、子どもの頃に食べに来ていたからと、親子で来てくれるお客さんもいる。皆思い出づくりをしているみたい」と笑い、「僕らもカレーを提供しながら、ありがとうと伝えて終わりたいね」と意気込んだ。

湘南山鉄の山口利通社長は「当社の飲食部門の最後の店。ここまで続けてこられて茅ヶ崎の皆さんに感謝、感謝です」と謝意を示した。

営業は午前11時から。ルーなどが無くなり次第終了となる。