球技専用スタジアムへの改修が計画されている「等々力陸上競技場」と、建て替え計画が進められている「新とどろきアリーナ」がこのほど、国の「多様な世代が集う交流拠点」のモデル施設に選ばれた。国は「スタジアム・アリーナ改革」を打ち出しており、等々力もまちづくりや地域活性化の核となる施設として、全国へ情報提供を行っていく。

国は、スポーツ市場の規模に着目し、2015年の5・5兆円が25年までに15兆円に拡大すると試算。16年に「スポーツの成長産業化」を官民戦略プロジェクトに位置付け、スタジアム・アリーナがスポーツの集客だけでなく、飲食、宿泊、観光等、周辺の産業へ波及し、経済活性化、地域活性化の基盤になるとして「スタジアム・アリーナ改革」を打ち出した。その中で、多様な世代が集う交流拠点のモデルとなる「スタジアム・アリーナ」として、20施設の選定を進めており、昨年度までにエスコンフィールドHOKKAIDOなど19件が選ばれている。

今回選ばれた等々力緑地の球技専用スタジアムと新とどろきアリーナは、川崎市が事業主体となり、管理・運営を行う川崎とどろきパーク(株)が連携して再整備を進めており、それぞれ29年度末に完成を予定している。

選定理由について、スポーツ庁は「多様な世代の利用を意識して、既存施設や公園を一体的に検討し、立地特性を生かした計画」「スタジアム・アリーナ単体がもたらす中長期の経済効果がその投資額を上回り、実現の可能性がある。ネーミングライツの導入などで一定の収益上の工夫がなされている」「グランドデザイン等の設計と収益性の検証がリンク」していることを評価している。

選定を受けて、市では、今後国が検討している補助金の助成に期待を寄せ、「地域に近いスタジアム・アリーナとして特別なエリアであること、市民の誇りとなるような施設にしていきたい」と話している。