藤沢・茅ヶ崎・寒川の2市1町を拠点にする男子プロバスケットボール「湘南ユナイテッドBC」の玉田博人選手(30)が7日、今シーズンをもって現役を引退することを表明した。同チームのB3リーグ参入時から初代キャプテンを務めた2年間。「今季プレーオフ進出を果たした経験は、自分にとっても他の選手にとっても今後の糧になる」と語った。25日(土)のオールスターゲームで最後の試合に臨む。

「これでだめなら引退を考えていた」。リーグ1年目の2022-23シーズン前。玉田選手は湘南のトライアウトに挑戦し、金沢武士団から移籍加入した。「培ってきたもの全てをプレーに還元したい」とキャプテンとしてチームを率いた。

2年目の23-24シーズンで掲げたチームの目標はプレーオフ進出。シーズン開幕までの2カ月間、選手たちは「尋常ではないくらい」(玉田選手)の走り込みを集中的に行った。ディフェンス面の強化や、パスを出すタイミングなどの課題にも重点的に取り組んだ。

成果は実った。開幕後は6連敗を喫したが、「上位チームとの対戦で勝てる感覚を得た」と玉田選手は振り返る。「目標に向かってぶれることなく、チームが一つになれたことは大きな成長だった」。今シーズンは18クラブ中8位の成績を収め、自身にとっても初のプレーオフ出場を決めることができた。

「応援してくれる方々へ結果で恩返しができるようになり、選手たちのプロ意識も強まった」と実感を込める。

鹿児島市出身。身長182cm。地域貢献活動で地元の小中学生らへバスケを教えることも。「子どもたちは1カ月もあれば見違えるほど上達する。教える楽しさがあり、今後もバスケの魅力を伝え続けていきたい」と抱負を語る。

あすオールスター戦

明日25日に豊田合成記念体育館エントリオ(愛知県)で開催される能登半島地震復興支援チャリティーオールスターゲームに出場する。これが現役最後の試合となる。「引退を決めたが、まだまだ動ける。復興支援の一員として悔いのないプレーでみなさんに勇姿をお見せしたい」と意気込みを語った。

試合は埼玉・東京U・品川・東京Z・立川・八王子・横浜EX・湘南・金沢のB3チームイースト(東)と、福井・岐阜・三重・岡山・山口・徳島・香川・鹿児島・豊田合成の同ウエスト(西)に分かれて行われる。午後3時開始。