鎌倉学園高校アメリカンフットボール部は、5月5日まで県内各地で行われた神奈川県高校春季大会で11チームの頂点に立ち、5月25日から都内と埼玉県で開催される関東大会の出場権を獲得した。同校の県大会制覇は、2ブロックに分かれた2020年秋季大会以来で、創部58年で初の単独優勝を達成した。

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強豪・法政二高との準決勝は、鎌学アメフト部にとって試練だった。小林哲朗監督=中面・人物風土記で紹介=が、大会3日前に急病で緊急入院し、監督不在で戦うことを余儀なくされた。

準決勝は、部員たちが「事実上の決勝戦」と捉えていた大事な一戦。2日前の朝に事情を知った部員たちに動揺が走ったが、「監督のためにも絶対に負けられない」と決意を固める。幹部の部員とコーチによるミーティングは10時間に及び、試合中のサインや役割を入念に確認。粘り強いディフェンスと大きなミスがなかったことで序盤から流れをつかみ、14対10の接戦で勝利した。

小林監督が退院し、万全の状態で迎えた鎌倉高との決勝は、前半から相手を圧倒。35対7で「鎌倉対決」を制した。

上位3校に与えられる関東大会の出場権は、鎌学と鎌高、法政二高が獲得。竹山正剛主将(3年)は、「やってきたことが間違いではなかった。3年生全員で挑む集大成として関東優勝を目指す」と意気込む。