ひとつめは「外国人旅行者のニーズは『日本のどこにでもあるもの』」ということです。

「有名観光地」だけに行きたがっているわけではない

【1】ニーズは「日本のどこにでもあるもの」

まずは、訪日外国人旅行者のニーズを検証してみましょう。

「温泉」「世界遺産」「テーマパーク」のような観光地よりも、「日本のどこにでもあるもの」の人気が高い(グラフ『日本一わかりやすい地方創生の教科書――全く新しい45の新手法&新常識』より)

「訪日旅行で体験したいこと、体験したこと」のアンケートでは、1位から3位に「自然や風景の見物」「桜の観賞」「伝統的日本料理」があがっています。

この3つは「体験したい項目」でも「体験した項目」でも高得点をあげています。

それより下位には「温泉への入浴」「世界遺産の見物」「繁華街の街歩き」「遊園地やテーマパーク」といったコンテンツがあがっているのですが、トップ3には「日本の田舎ならどこでもあるもの」があがっていることに注目してください。

「うちの自治体には温泉も、世界遺産も、繁華街(銀座、秋葉原など)もない。遊園地もテーマパークもない。だからインバウンドは期待できない」というのが従来の地方自治体の嘆きでした。

けれど、このデータを見れば「うちの自治体にも自然ならある」「桜がある」「伝統料理がある」というように、思考をシフトすることができます