自己紹介の仕方も、シーンや相手によって内容を変える場合もあるでしょう。すでに知っていることばかりだったとしても、あらためて聞いてみることが重要です。

本人の言葉で「まずしゃべってもらう」がポイント

アナウンサー時代に感じたのは、やはり「対話」の基礎はインプットだ、ということです。

限られたオンエアの時間で「情報を伝える」「質問をする」、時には「ユーモアを交えて展開する」──。すべてはインプットがあってこそ可能なこと。

仕事の9割はインプットだったと言っても過言ではありません。インプットにはゲストの情報を事前に調べることも含まれます。

知っていたとしてもあえて本人から伝えてもらうことで、対話の波長が合ってきます。

職場でも友人関係でも、相手のことをあらかじめインプットしておくのは有効です。

その上で、「最近、どんな活動に力を入れているんですか?」などと、フリーで答えられる質問を投げかけて、長めに話してもらう。この“長め”に話してもらうというのがポイントです。 

対話のスタートに、自分の言葉で自己紹介や近況シェアを語ってもらう出番をふることで、口をたくさん動かしてもらい、「話すこと」に慣れてもらうのです。

注意深く聞けば、自己紹介の中に必ず「詳しく話したいネタ」が隠れています。本人の言葉の中に、キラリと光るキーワードを察知したら、すかさず「それってどういうことですか?」と反応し、自然と話題を広げていきましょう。

著者:国山 ハセン