しかし、親が子どもの適性を無視して、勉強を無理強いすると悲劇を生み出します。近年、聞かれるようになった「教育虐待」という言葉はまさにそれを象徴しています。勉強の世界における難関校合格と人生の幸せはイコールではありません。その子が持って生まれた能力や適性を発揮できたときにはじめて、幸せが訪れます。この点をまずはご理解いただいた前提で、話を進めます。

公立トップ校に合格する子の特徴

公立のトップ校に合格する子たちの特徴として、次の6つの点が挙げられます。

【要素1】幅広い分野に取り組むことができる
【要素2】やらねばならないこと(提出物や宿題)は人に言われなくてもやる
【要素3】自分は上位の位置にいるのが当たり前と思っている
【要素4】感情的になる頻度が少ない
【要素5】わからないことは人に聞いたり、調べたりして解決する習慣がある
【要素6】考える力(疑問を持つ力)を持っている

これら要素の複数の組み合わせによって成り立っています。一口に「〇〇な子はトップ校に行ける」とは言い切ることはなかなかできませんが、上記の組み合わせによってある一定の傾向はあります。

公立高校の場合、内申点という学校成績があり、それが合否の対象になることはご存じだと思います。都道府県によって、その割合や対象学年は異なりますが、基本的にどの都道府県でも内申点が入っていると思います。

しかも主要教科だけでなく、実技科目も入ってきます。ということは、マルチに満遍なく、そつなくこなす必要があります。先生が嫌いだから勉強しないとか、やりたくないからやらないというタイプだと内申点で高得点を取ることは容易ではありません。

筆者は、そのような子に大いなる可能性を感じていますが、残念ながら公立高校受験では不利になることがあります。

しかし、そのような子でも、中学3年になると周囲の雰囲気が変わり、脳も発達し精神年齢も上がってくるため、ようやく自分が置かれた実態について把握できることもありますが、「時すでに遅し」ということが少なくありません。