日本には、歴史を変えたといわれる鉄道車両がいくつか存在する。たとえば、日本初の高速鉄道用車両である国鉄0系新幹線電車はその代表格だ。

世界初の2階建て高速電車である近鉄10000系、日本初の前面展望車両である名鉄7000系などもそれにあたるだろう。

通勤用車両だが画期的

これらはいずれも特筆すべきサービス設備(スピードもサービスの一環といえる)を備えた各社のフラッグシップ車両だが、一方で技術面において大きな足跡を残したものももちろん存在する。「新性能電車」のはしりとされる国鉄101系や、日本初のオールステンレス製車両である東急7000系などは、通勤用という地味な役割ながら、日本の鉄道史を語るうえで欠かせない。

そして、この2024年3月引退の大阪市高速電気軌道(Osaka Metro、以下「大阪メトロ」)の20系電車もその1つだ。