2023年11月に自民党青年局近畿ブロックの懇親会で過激なダンスショーが催された問題により、出席した藤原崇・自民党青年局長らが辞任した。

国会議員や地方議員を含むおおむね45歳以下の青年党員22万人の代表であり、「総理への登竜門」と言われる青年局長。だが、歴代54人の局長の中で女性は第51代局長の牧島かれん氏(2020年に就任)のみ。

3月12日に第55代局長に就任した鈴木貴子氏に、いま自民党で何が起きているのか、青年局を今後どう立て直すのか聞いた。

大きなプレッシャーを感じる

――「過激ダンス」の問題はなぜ起きたのでしょうか。

自民党青年局という公的組織の懇親会は、メンバーの横のつながりを再確認して結束を図る場であって、ダンスショーがその目的に則っているかと言えば到底あり得ないことは明白だ。

サプライズ企画といっても常識でわかること。社会通念上、理解を得ることは不可能ではないか。各種懇親会の企画が党や青年局の活動方針に即しているか、意思決定のプロセスを複数人が協議して決定をするようにして再発防止に努めたい。

――自民党には国民の厳しい目が向けられています。その中での局長就任で、大きな責任を負うことになります。

自民党青年局長は党内外で「総理への登竜門」の1つであると言われている。大変重く意義あるポストだと認識している。普段の青年局長の仕事に加えて、信頼回復、立て直しという職責もある。

大きなプレッシャーを感じるし、実際に就任してみて想像以上に自分の言動の影響の大きさを感じる。9月に総裁選を控えたタイミングでの就任でもあり、状況は複雑だ。

われわれ青年局は「政治的立場」という矩をこえて動きたい。にもかかわらず、見えないけれど間違いなくそこにあるプレッシャーに阻まれることがある。グロテスクな難敵だが、その圧力との戦いが権力闘争であり、政治でもある。