男性はもちろん、昨今は女性や外国人観光客など、多くの人が利用しているビジネスホテル。各ホテルはそれぞれに、代名詞とも言えるサービスや設備を持っている。けれど昨今のホテル選びでは価格ばかりが注目され、提供側がこだわっているポイントにはスポットライトが当たっていないこともしばしばだ。

この連載、「ビジネスホテル、言われてみればよく知らない話」では、各ビジネスホテルの代名詞的なサービス・設備を紹介。さらにその奥にある、経営哲学や歴史、ホスピタリティまでを紐解いていく。第10回は、JR東日本ホテルメッツ(以下、ホテルメッツ)の「駅近」以外の魅力や地道な改善をフックに、ブランド理念や経営姿勢を深掘りする。

1泊1万5000円〜、価格は平均的でも好調

ホテルメッツが好調だ。全国の客室平均稼働率76.6%(※月刊ホテレス『全国ホテル客室稼働率』2024年3月速報より)に対して、同グループは9割をキープ。うち4割を女性、3割を会員が占める。選ばれる一番のポイントは、親会社であるJR東日本が持つ土地を活かした「駅から徒歩3分以内」の立地にある。

だが、駅近だけならホテルはほかにもある。宿泊価格の差だと思われるかもしれないが、1泊1万5000円〜3万円程度と、現在の潮流からいうと平均的だ。高稼働の裏には、ほかにもなにかあるはず。そう思って宿泊者のクチコミを見ると、2つのキーワードが頻出していることに気づいた。「綺麗」と「清潔感があった」だ。清掃が行き届いていることが、リピートにつながっているのだろうか。

JR津田沼駅直結の『JR東日本ホテルメッツ津田沼』(写真:ホテルメッツ提供)

ホテルメッツ全30ホテルのうち、25ホテルを運営する日本ホテル(株)の企画・開発グループ リーダーの堀田幸助氏と、マーケティング・営業戦略グループ統括支配人 斎藤陽介氏に話を聞いた。

【画像】とにかく綺麗で快適!「ホテルメッツ」の外観や客室の様子を見る(12枚)