人気のリュックから紹介したが、学生の就職活動では事情が異なる。

一昨年、当時入社2年目を迎えた男性(20代前半)に話を聞いたが、「就活にあたり、黒色の手提げ型のビジネスバッグを買いました。周りの就活学生に合わせるためで、就活生スタイルの一部として、そうしたバッグを持つことが大事だと考えたのです」と学生時代を振り返っていた。

学生の就活で支持される手提げバッグ

「就活生は、やはりまだ手提げ派です。バッグ選びは服装との関連性もありますが、リクルートスーツでネクタイ姿の就活生がほとんど。ファッションで目立とうとしないで冷静なのでしょう。そんな方たちに一番人気なのが『ポーター テンション』(4万4000円)です。手提げと肩掛け、背負いの3wayタイプで、シリーズ発表から20周年を迎えましたが、不変的なデザインと機能性で根強い支持を受けています」(名倉氏)

まだ学生なのでバッグ選びの際、大半の人が代金を支払う親と一緒に来店するという。ポーター テンションのような定番タイプは、管理職世代でもある親に好評なようだ。

色についてはどうか。今回、「面接時などに気になるため、下に置いた際のイメージも重視し、色は目立たないネイビーか黒を選びました」(20代女性)という声も聞いた。

「就活生に限りませんが圧倒的に人気なのは黒で以前と変わらず、その次はネイビーです。どんな服装にも合い、汚れが目立ちにくいのも大きいと思います」(同)

前述の「好きなブランドのバッグを持つ」人も、黒やネイビーは使い勝手がいいようだ。

吉田カバン ポーター 手提げと肩掛け、背負いの3用途で使える「ポーター テンション」。発売20年を経ても人気が高い(筆者撮影)