(写真:いお/PIXTA)

病気になったときに、自分の住まいの近くの病院にスムーズにアクセスできれば安心だ。それを計る指標の一つとして有効なのが、「人口当たり病床数の多さ」だ。

本稿では、市と、特別区(東京23区)のうち、昼間人口と夜間人口の差が大きい千代田区、中央区、港区の3区を除いた全国812区市を対象に、人口千人当たりの病床数(病院と一般診療所の合計)の多い順にランキングを作成した。

病院へのアクセスを考えるうえで押さえておきたいのが「医療圏」という概念だ。各都道府県が策定する医療計画の中で、1次から3次までの医療圏が定められている。その中でも「2次医療圏」は、一般的な入院や治療に必要な医療体制(ベッド数、病院数、医師数など)を整備する単位とされている。

本稿のランキングでは、各自治体ごとの人口千人当たりの病床数と、その自治体が含まれる2次医療圏の人口千人当たりの病床数を比較。多いほうの値をその自治体の値として採用している。

首位と最下位で約10倍の差

首位になったのは、佐賀県嬉野市(うれしのし)。千人当たり病床数は54.97となった。

5位に入った千葉県鴨川市には、全国的にも有名な亀田総合病院がある。

下位に目を転じると、最下位となったのは京都府の木津川市で、千人当たり病床数は5.53。首位のほぼ10分の1という値だ。

下位には東京都、神奈川県、埼玉県、愛知県など人口規模の大きい地域の区市が多くを占めた。都市部で医療の供給体制を充実させることの難しさが浮き彫りとなった。

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