極東のロシア軍スカスカ状態?

太平洋艦隊から新たな増援をウクライナに派遣か

 ウクライナ国防省情報総局は2024年4月12日、ロシア軍がウクライナ侵攻で受けた損害を補充するため、極東から新たな増援を送る動きがみられると発表しました。

 ロシア軍は、2022年2月にウクライナへの全面侵攻を開始する際、全土から部隊を集結させました。ロシア極東を管轄する東部軍管区の部隊も当初から侵攻作戦に投入されていますが、大きな損害を被っています。
 
 ウクライナ国防省によると、ロシア海軍・太平洋艦隊のヴィクトル・リーナ司令官は、ロシアが軍事介入を行っているシリアへのローテーション配備を停止し、沿海地方やカムチャツカ半島から新たに約2000人の兵士をウクライナへ送る決定をしたとのこと。
 
 さらに、ウクライナ東部で大損害を受けた太平洋艦隊隷下の第155海軍歩兵旅団と第40海軍歩兵旅団の穴埋めとして、ハバロフスクに駐屯するロシア空軍の第11航空・防空軍からも約400人が派遣されると指摘しています。また、極東に駐屯する一部の兵士が、ロシア南西部のヴォロネジで編成中の自動車化狙撃旅団に加わるとしています。

 なお、ロシアは艦艇の増援をウクライナ方面に送ることはできません。地中海から黒海につながるボスポラス海峡とダーダネルス海峡で、戦時に軍艦の通行が制限されるためです。

ロシア極東の部隊が壊滅した戦いの様子