鉄道の魅力を熱くお伝えする野川キャスターの「てつたま」。
野川さんお願いします。

【野川キャスター】
今回取材したのは久々に広島電鉄の路面電車です。
2年前、宮島線が開業100年を迎えて、今回、次の100年に向けた新たな取り組みをスタートさせたという事で取材しました。

それでは…

宮島線沿線で始まった取り組みを取材するため、まずやってきたのは宮島線の起点駅となる広電西広島駅です。

【野川キャスター】
「いや、もう西広島駅いいですよね。この大屋根がね、トレインシェットっていう、ヨーロッパの駅にちょっといるぐらいの感じになりますよね」
【野川キャスター・広島電鉄 地域交流事業課 前田 琢己 係長】
「こんにちは。前田さんでいらっしゃいますか?」
「前田でございます。よろしくお願いします」
「TSSてつたまの野川と申します」
「いつも拝見しております」
「ありがとうございます。どんなプロジェクトなんですか?」
「宮島線をテーマ、土台にしてポスター展という形で、このように各駅に張り出して、魅力を色んな方に知ってもらいたいと思ってスタートしています。一駅一カ所ずつ地域のありのままの魅力を伝えていこうというプロジェクト。盛り上げ、簡単に言えば盛り上げようという取り組みなんですけど」

広島電鉄は生活沿線・宮島線と銘打って広電西広島から広電宮島口まで21の駅周辺の魅力を伝えるポスターを制作。日常的な風景、ありのままの魅力をPRするためです。
今回は私、野川の独断で6つの駅をめぐります。

【野川キャスター・広島電鉄 前田 琢己 係長】
「広電西広島はこちらの一枚ですか?」
「はい。これは近くにある精肉屋さん」
「このあたり雰囲気の良い町ですからね」

広電西広島駅のポスターに選ばれたのが、大正15年、1926年創業の町のお肉屋さん、菊岡精肉店です。

【野川キャスター・菊岡精肉店 店主 廣瀬 恭兵さん・広島電鉄 前田 琢己 係長】
「こんにちは」
「いらっしゃいませ、こんにちは」
「ご主人でいらっしゃいますか?町のお肉屋さんというようないい感じのお店ですね。
ただあの、今回、広電さんの企画で使っていたポスターの写真と、ちょっとムードが違うような気がするんですよね」
「そうですね。昼間は肉屋なんですけど、午後6時から午後9時まで立ち飲みになるんですよ。その時の雰囲気がこの時の写真になる。はい」
「そうそうそうそう、これです。これです。夜はこのスタイルで」
「そうですね、はい。みんなやっぱり、ショーケース見ながら飲むというので驚かれますね」

角打ちは午後6時からで、ショーケースの上には角打ち居酒屋としてのメニューが掲示されています。お肉屋さんだけあって使用する肉は新鮮そのもの、肉のプロが作る肉メニューは、そのおいしさに間違いありません。

【野川キャスター・菊岡精肉店 廣瀬 恭兵さん・広島電鉄 前田 琢己 係長】
「夜を始めたこのきっかけは何だったんですか?」
「きっかけはもともと、午後7時位までしかやってなかったんですけど、仕事終わりとか、時間がもうちょっと長く開けてほしいということだったので、僕も酒好きなので、ちょっと立ち飲み。ビールサーバーつけて僕も飲めるようにしてから、待っとこうかな、みたいな感じで、うっかりやったら、ちょっとうっかり有名になっちゃったっていう」
「どうでしょう?おすすめの一品、お願いします。と言ったらどんな物がありますか?」
「そうですね、うちは独自の自家工場で生肉の販売許可を厚生労働省からもらってるんで、その生ユッケが一番人気で」
「なるほど。生ユッケですよ」
「食べたいです」
「食い気味に前田さんも言われましたけど。この周辺でこちらのお店を選んだ理由というのはどのあたりなんですか?」
「もちろん駅周辺って美味しいお店とか、居酒屋さんがたくさんあるんですけど。この角打ちスタイルというか、昼はお肉屋さんで、夜は角打ちでっていう。こういうサッと飲めるスタイルって意外とあるようでないかなと思って。もうそこに魅力と、町の風景に溶け込んでいるこの外から見た時の外観も含めて、そこにすごい魅力を感じて。もうここだってビビッときた感じです」
「確かに己斐地区といったら、もういい雰囲気の漂う下町ですもんね」
「お待たせしました」<生ユッケ 到着>
「ありがとうございます。こちらじゃあ。あらーちょっと。間違いない奴ですね」

卵黄を生肉と絡ませれば、とろっとジューシー。もうたまりません

【野川キャスター・広島電鉄 前田 琢己 係長・菊岡精肉店 廣瀬 恭兵さん】
「それでは頂きます。おいしい。最初はしっかり噛み応えがあって旨味が出てくるんですけど、だんだんねスーッと消えていくんですよね。これ不思議だなと思いました。これは人気なんじゃないですか?」
「結構人気ですね。一番人気かもしれない。今は」
「ずっと気になってるんですけど、メニュー表に『消える魔球』というのがあるんですよ」
「あー、消える魔球ですね」
「これ、これじゃないですね?」
「これはユッケなんですけど、消える魔球はちょっとこう、ネギトロみたいに叩いて、たたきにして。ネギトロみたいにするんですよ。肉の。それをお寿司にして、食べると口の中で消えて無くなるんで、消える魔球って呼んでます」
「生ユッケも消えましたよ」
「消えました?」
「どうしましょう?」
「じゃあ消えるユッケにしましょうか?名前。ちょっと考えます。いただきました。
ありがとうございます」
「ご主人のノリ」

宮島線が開業したのは、1922年。その4年後に菊岡精肉店が開店しました。
創業からまもなく98年…今では広電西広島駅の愛すべき日常としてお互いに欠かすことができない存在です。

【野川キャスター・菊岡精肉店 廣瀬 恭兵さん・広島電鉄 前田 琢己 係長】
「どうですか?98年やって来られて、この歴史の転換点みたいなところにいるっていう」
「そうですね。僕はそれでも8年間しかいないんで。(代変わりしてまだ8年のご主人)のっかちゃってるんで、8年だけ。その分やっぱり、この己斐の街に還元したいので、98周年、99周年、100周年はちょっとイベントをしながら、お客さんに還元したいなと思っているので、ぜひ期待してください」
「ということで、まあこれからも多分ね、こうずっと広電の宮島線とともに、このお店も進んでいくんだと思いますけど。改めてどうでしょうか?宮島線ってお店にとって、あるいはご主人にとってどんな存在なんですか?」
「そうですね。僕はここに住んでるんで、やっぱり子守唄のようで、初めは寝られなかったんですけど、今、子守唄のようにカンカンが心地よく寝られるようになったので、やっぱりずっと一緒にこう生きて来たので、僕もこれからもずっと共に一緒に生きて行きたいと思ってます。はい」

そして、次週は次なるポスターを求めて広電西広島駅から電車に乗り込み草津駅へ。
いったいどんなポスターと出会えるのでしょうか?


菊岡精肉店 角打部(立ち飲み)
広島市西区己斐本町
午後6時〜午後9時 (定休 日・祝)
◯生ユッケ 1100円(税込み)

<スタジオ>
「てつたま」グルメが出てくるのは珍しいですね
【野川キャスター】
ご主人も気さくな方で、もうなんか西広島の己斐の辺りの空気感がとてもよく漂っている良いお店だなと思いました。木村さんいかがですか
【コメンテーター:木村文子さん】
(女子100mハードル元日本代表・エディオン女子陸上部アドバイサー)
「本当に日常が伝わってくると、市民としては立ち寄りやすいなっていうのはすごく感じました」
【野川キャスター】
「生活の中に入り込んでいく楽しさがありますよね。下町情緒が残る街もたくさんありますし、今までこの取り組みがなければ、降りなかった駅もあるかもしれないという。
【加藤キャスター】
街と鉄道のつながりって、改めてあるんだなって、感じますよね。
【野川キャスター】
そうなんですよね。ぜひともね、足を運んでいただきたいと思います。