震災と原発事故を題材にしたミュージカルが4月28日、東京で上演されます。中心となっているのは、愛知県の子どもたち。「子どもと一緒に大人たちも原発事故に向き合ってほしい」。開催に向け、公演に協力する浪江町の女性が訴えています。

「♪福島の被災地を見てください〜」

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被災地の思いを歌に込める子どもたち。歌っているのは、愛知の合唱団のメンバーです。震災と原発事故を題材にしたこのミュージカル。おととし、福島県二本松市でも上演されました。

それに先立ち、合唱団のメンバーは夏休みを使って、被災地も訪問。自分の目で被害を見たことで、作品への思いをさらに強くしました。このとき、協力したのが、浪江町の帰還困難区域、津島地区から避難している三瓶春江さんです。

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三瓶春江さん「子どもたちも、大人たちも原発事故に向き合って、問題に向き合って、正しいことを正しいと言える、そんな社会になってもらえればありがたいという思い」

「東京の人にこそ見てほしい」

実行委員の1人として活動する三瓶さん。これまで、自身の経験も含め、被害の現状を多くの人に伝えてきました。原発事故から13年。津島の自宅は傷みが激しくなり、今年、解体を申請しました。こうした現状を題材にしたミュージカルが、4月28日、東京で上演されることが決まったのです。

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三瓶春江さん「東京に住んでいる人たちにこそ、見てもらいたい。原発事故は終わっていると感じている人がほとんどだと思うので、そうじゃないんだよと」

作品を通じて、電力の消費地である東京の人にも原発について考えるきっかけになればと話します。

三瓶さん「13年経ってもこの現状はまだ終わっていないし、また繰り返すかもしれない原発事故を、自分のこととして感じてもらいたい」

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作品の中では、子どもが大人とともに、未来について考える場面があるといいます。過去は変わらないけれども、未来は変えられる。三瓶さんたちは、そう考えています。

三瓶さん「子どもも大人も一緒になって、この原発事故に向き合って、色々な話し合いの場に入って一緒に考えるということで、子どもの意見は、将来大人になるわけだから、一緒になって考えるということもすごく大事かなと思いますね」

このミュージカルは、東京公演に先立ち協賛金も募っています。詳しくは「愛知子どもの幸せと平和を願う合唱団」のクラウドファンディングのページをご覧ください。