富山県砺波市で開催されているチューリップフェアで、能登半島地震で被害を受けた輪島朝市の店舗が出店。開園と同時に富山から輪島を支援しようと大勢の人が訪れ、伝統の味を買い求めていました。

300品種、300万本のチューリップが彩るとなみチューリップフェア。
28日に満開宣言が発表。

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園内には29日も国内外からの大勢の観光客でにぎわっていました。

観光客「はいチーズ」
観光客「めっちゃいい感じ。なんかに送りたいね」

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そんな園内の一角で能登地方の自慢の海産物が並んでいました。

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南谷良枝商店の南谷さん「ありがとうございます」
来店者:「本当に能登から来たん?」
南谷さん:「輪島から。なんもまだ1月1日から変わっとらん」
来店者:「かわいそうに」
南谷さん:「ね〜、いっしょやけど」

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「輪島朝市」で人気の「塩辛」などの海産物を製造販売している石川県輪島市の南谷良枝さんです。砺波市で働く中学の同級生の紹介で出店することになりました。

来店者:「頑張ってね」
南谷さん:「ありがとうございます」

最大震度7を観測した能登半島地震。
石川県輪島市の観光名所「朝市通り」では、地震で発生した火災で200棟以上が焼け、およそ5万平方メートルが焼失しました。
南谷さんもここで店を出していました。

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南谷さん:「ここがね。私のお店出とったところなんですよ。ここ、ここの前に出とったんです。小屋建てて」

輪島市生まれで小さいころから毎日のように朝市に通っていた南谷さん。
17歳のときに出店し6年前から自ら手作りした商品を販売しています。

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南谷さん:「朝市が大好きで、朝市というのは海産物を扱う人間にすると憧れの場所、朝市にでたい」

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あの日、炎に包まれた朝市通り。南谷さんは多くの知人や商売の仲間を亡くしました。

南谷さん:「あそこ全部火事ですよ。ここから先全部火事」

焼けた通りに少し足を進めますが、途中で足が止まってしまいます。

スタッフ:Qやっぱりここから先は足すくみますか?
南谷さん:「すくむって言うよりも見たくないし行きたくないないなって。悪い。みんな仲間やしね。あそこに眠ってる人たち。遊び半分で入りたくないな」

朝市から車で15分ほど離れたところにある加工場や実家も深刻な被害を受けました。

「塩辛」の隠し味として欠かせない能登半島地方特産の「いしる」を保管していた倉庫が倒壊し、使えなくなりました。
「いしる」の製造には5年以上要しますが、奇跡的に残った30キロの「いしる」を使って伝統の塩辛づくりを金沢市内の加工場て再開しました。

南谷さん:「まだまだ復興していないから、皆さんのまだご支援が必要なんですよ。皆さんのお力をお貸しください」

そして、29日。

となみチューリップフェアの会場の一角で南谷さんの商品が販売され、多くの人が買い求めていました。

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来店者:「せっかくなので何か」
南谷さん:「おいしい塩辛なんかいかがですか」
来店者:「塩辛ですか?」
南谷さん:「はいこれが輪島独特の麹が入った塩辛になります」

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来店者:「じゃあこれください」
南谷さん:「輪島から発送できないという時期が長く続いたので富山の友達のところにきて発送していました」
来店者「がんばってください」
南谷さん:「ありがとうございます」
来店者:「一生懸命がんばっていらっしゃるし、何かできることがあれば応援したいなと」

 

来店者:「朝市ってかいてある」
スタッフ:「たくさん買われたんですね?」
来店者:「たくさんかった。早くね、よくなってほしいね」

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南谷さん:「輪島の町を復興してもらって、またにぎやかな輪島の朝市に戻りたいと思っています」
スタッフ:Q「輪島の女性は強いっていっていましたけど」
南谷さん:「そうです。輪島の女は強いんです負けません」

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南谷さんは5月3日にも、となみチュリップフェアで出店する予定です。
能登への支援の輪が満開の園内で大きく広がっています。