富山県南砺市で2日夜、福野夜高祭がおこなわれ、祭りのクライマックス、大行燈を壊しあう迫力の「引き合い」で、深夜の町は熱気に包まれました。
富山県の無形民俗文化財にも指定されている南砺市福野地域の「福野夜高祭」。
370年以上前の大火からの復興を願って始まったとされていて、ことしは能登半島地震の復興祈願もかねておこなわれました。
地元の子ども:「迫力がすごくて、かっこいいです」
富山市から来た大学生:「大学のサークル活動の一貫で映像を収録していました」「こういった、特にけんかが行われるような祭りはとても貴重だなというふうに感じております」
午後11時。祭り一番の見どころ互いの行燈を壊しあう「引き合い」が始まると、会場の熱気は最高潮に。
およそ2か月かけてつくったという各町自慢の行燈が壊されていきます。
加賀谷悠羽記者:「おー…すごい、飛び蹴り!あー!大丈夫?なかなかおさまりません。(2人が地面に落下)大丈夫でしょうか?」
去年は引合いに参加していた男性2人が骨折するなど、「けんか」の激しさでも知られるこの祭り。
ことしはこんなアクシデントが―。
前に進もうとした行燈が電線に引っかかってしまい一時中断。関係者らが応急処置をすると…会場からは拍手が起こりました。
派手な「引き合い」ほど良い年になるとされていて激しく、勇ましい若連中の姿に会場からは歓声があがりました。
地元の外国人男性:「この日だとみんなの顔が見える。『福野』という地域が感じられる一日です」
南砺市出身で奈良県在住の女性:「ぜひともこういう行燈をなかなか若い方少ないと思うんですけれども、女性陣にも頑張っていただいて、伝承していただけたらと思います」
南砺市・田中幹夫市長:「ゴールデンウィーク天気が良くてね、きょうは最高ですね」「いやもうね、コロナで本当に苦しい何年間になった、それを乗り越えたなという気がしますね」
記者:「戻ってきたなと?」
田中市長:「本当にありがたいです。うれしいです」
祭りはきょうが本祭で勇壮な曳山と屋台の巡行に多くの人が酔いしれました。