4月1日に解禁したシロエビ漁。記録的な不漁によって休漁を余儀なくされ、飲食店などではシロエビの値段が例年の2倍以上に高騰しています。新湊漁港では5月10日からシロエビ漁を再開する予定で、飲食店関係者からは豊漁を祈る切実な声が聞こえてきました。

これは今月3日に富山市内の飲食店で撮影されたおしながき。シロエビの天ぷらがなんと、およそ2千円。例年の2倍の価格です。

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透き通ったピンク色の姿が美しい富山湾の春の味覚「シロエビ」。先月1日、シロエビ漁が解禁され射水市の新湊漁港ではたくさんのシロエビが揚がりましたが…。

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その後、不漁が続き、先月20日からあすまでの休漁を余儀なくされています。

こうした中、普段シロエビを販売する鮮魚店でも悲鳴が上がっています。

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サンユープラザあさい 浅井泰行さん:「去年は豊富に獲れてて、県外発送をして県外の方も買いに来られたり。それが今ひとつもないので…全然。こんなの初めてですね」

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シロエビの売り上げが例年の2割まで落ち込む…

富山市古志町で鮮魚や総菜を販売するサンユープラザあさい。ことしで創業50年を迎えますが、これほどシロエビが入荷できない年は記憶にないと言います。

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ショーケースを見てみるとシロエビが1つも見当たりません。

サンユープラザあさい 浅井泰行さん:「入札で買うんですけれど、入札に入れないというか、値段の高さにびっくりして…」

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こちらの店では去年シロエビを100グラムあたり400円で販売していましたが不漁が続く今シーズンは、去年の2・5倍となる1000円で販売していました。

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しかし、先月上旬以降は仕入れ値がさらに高騰したため、ほとんど仕入れができなくなったといいます。

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サンユープラザあさい 浅井泰行さん:「きのうも県外の方が来られて、『毎年おたくで買っているんですけれど、今年どうですか?』って来られて、『いや〜、今年は全然だめだね』って。『もし入った時に連絡くれる?』と言って帰っていかれた」

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サンユープラザあさいでは、シロエビの売り上げが例年のおよそ2割にまで落ち込んでいるといいます。

サンユープラザあさい 浅井泰行さん:「もう、なんというかな、ちょっときついなという…。早く、大量にとれてくれないかなと。それを待ち望んでいますね」

どうすることもできない、ただ祈るしか…

一方、こちらは射水市にある観光客に人気の「れすとらん きっときと亭」です。

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白エビの在庫数に限りがあるため団体客向けのメニューで白エビを使用していない料理を提供するなど対応に苦慮しています。さらに…

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佐藤優里アナウンサー:「こちらにあるメニュー表の3分の1があさってから再開する白エビ漁の仕入れ値によって、販売が停止されるということです」

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白エビお刺身丼は現在2500円で提供していますが、仕入れ値によっては2倍となる5000円で提供せざるを得なくなるため、こうしたシロエビを使ったメニューそのものを取りやめるというのです。

男性客:「2倍(の料金)だったらちょっと頼まないかもしれないですね」

女性客:「そこまで高くなるのが予想されているなら今のうち食べておこうかなみたいな、にはなるかもしれないですね」

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富山県水産研究所によりますと新湊漁港の先月20日までの水揚げ量は(速報値で)3.3トンと例年の1割程度にまで落ち込みました。

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シロエビ不足に苦心してきた料理長の宮正一さん。あさってからの漁再開に期待を寄せています。

新湊きっときと亭 料理長 宮正一さん:「私たちの力ではどうすることもできないのでただ祈るしかないんです」「とにかく白エビが豊漁になって、値段が落ち着いてお客様に喜んでいただけるような値段で提供できるようになるようにほんとに心から祈っています」

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新湊きっときと市場は地震で液状化の被害を受けていて、3月末にようやく営業を再開したばかりでした。

4月に入り白エビ漁も不漁となりダメージを受けているそうです。豊漁を願いたいですね。

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