「しゃぶしゃぶ温野菜」の北陸甲信越地区エリア本部として、富山県のほか石川県や東京都などに出店しているNS(旧リレーションズ)が、4月24日までに富山地方裁判所魚津支部から特別清算の開始決定を受けました。負債総額は約6億4000万円とみられます。

東京商工リサーチ富山支店によりますと、黒部市宇奈月温泉にあるNS(旧リレーションズ)は2003年に設立、資本金2000万円で「しゃぶしゃぶ温野菜」の北陸甲信越地区エリア本部としてフランチャイズ契約を締結、富山県や石川県、新潟県、長野県、東京都などに店舗を出店していました。

ほかにも、とらふぐ料理店や焼き鳥店などのフランチャイズチェーンにも加盟して事業を拡大、2017年3月期には売上高8億5655万円を計上していました。

しかし同業他社との競合や嗜好の多様化などから商況が厳しさを増し徐々に閉店、さらに新型コロナウイルスの感染拡大が追い打ちをかけ、2021年3月期は最終損益で2億413万円の赤字。2022年3月期はフランチャイズ3店舗のみの運営にとどまりましたが、1億5083万円の最終赤字を強いられました。

これ以降も業況は回復せず「しゃぶしゃぶ温野菜」の経営権を第三者に譲渡、2023年4月に商号をNSに変更し、6月の株主総会の決議で解散、清算手続きを進めていました。

富山県内の「しゃぶしゃぶ温野菜」は経営権が第三者に譲渡され、店舗の営業は継続されています。

負債総額は債権者3人に対し6億4000万円とみられます。