夏が本格化するのはまだ先…と油断していませんか?5月でも各地で最高気温が30℃を上回る真夏日が続出。体感が涼しい日もあるものの、日差しを受けて「車の中」は真夏並みになることも。知らないと危険な車内での熱中症リスクと、対策について取材しました。

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5月に入り各地で真夏日となる日も増えてきました。実は真夏になる前の、この時期から熱中症で搬送される人が増えているんです。

富山県を例にみると、去年、熱中症で運ばれた人の数は5月で27人、6月で55人。特に、この時期に気を付けないといけないのが「車内での熱中症」です。

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JAF富山支店・林宏二さん:
「真夏ではなくても車内温度が50℃に達することがあります」

外気温が約24℃の環境で、軽ワゴン車と大型SUVを屋根なしの駐車場に止めたJAFの実験。長時間、駐車することで車内温度がどう変化するのか検証したものです。

その結果は…

10分後→軽ワゴン32℃・SUV33.6℃
30分後→軽ワゴン35.5℃・SUV39.9℃
1時間後→軽ワゴン37.5℃・SUV43.5℃

どちらも大きく上昇しました。

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大型SUVの車内温度が、軽ワゴンよりも高くなった理由として、フロントガラスの面積が広く、角度が浅いため、直射日光がダッシュボードに多く当たっていることが影響しているとみられます。

JAF富山支店・林宏二さん:
「真夏は気温も高いですし気を付けようかなと思うんですけど、今くらいの季節だと暑いなとは思うんですけど、そこまで意識は高くない。春先でも気温が上昇する場合には、車内温度がグッと上がりますので、十分な注意必要」

また、日差しが気になるこの季節、スプレータイプの日焼け止めや冷却スプレーを車内に置いている人もいますが破裂したり引火したりするおそれがもあり、大変危険です。

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JAF富山支店・林宏二さん:
「金属の部分というのは特に熱くなって、小さいお子さんがやけどしてしまうというケースも事例でありますし、車内のあらゆるものが熱を蓄えて高温になっている。やけどをしないようにお気をつけいただければ」

カー用品店では暑さ対策のグッズの特設コーナーが設置されていて、人気の商品を教えてもらいました。
ひとつめは、普及している「サンシェード」ですが、工夫を凝らしたものも。

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オートバックス富山北店・宮田美怜さん:
「曲がる傘型サンシェードです。普通のサンシェードとは違って傘型、折り畳み傘みたいになっているので傘みたいにぱっと開けます。形も自由に変えられてどんな車でも合うように設計されています」

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こちらの店舗では5月だけでサンシェードが130個も売れているそうです。

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また、USBに接続すると背中とお尻の部分から冷風が出るシートカバーや、座席のヘッドレスト部分に取り付ける扇風機も人気だということです。

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JAFの検証によりますと、暑くなってしまった車内の温度を下げるために最も効果的なのは、エアコンをつけた状態で、窓を全開にしながら走行することだそうです。

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窓を全開にして、エアコンを「外気導入」にして走り出し、車内の熱気を出したら窓を閉め、「内気循環」にして冷やすことが最も効率的な方法だということです。

5月でも窓を閉めきった車の中では短時間で温度が急上昇するおそれがあります。熱中症になりやすい子どもを車内に残して車を離れないようくれぐれも注意をしてください。