“ご入金のみ”の選択肢を設けた政治資金パーティーの案内状について釈明した自民党の田畑裕明衆議院議員。寄付の呼びかけではないと説明、否定しましたが、政治資金問題に詳しい専門家は「説明になっていない」と矛盾を指摘します。

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毛田千代丸キャスター:「違法性の認識は全くなかったんですか」

自民党 田畑裕明 衆議院議員:「どうもありがとうございました」

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毛田キャスター:「有権者納得しないと思いますよ」

自民党 田畑裕明 衆議院議員:「先ほど申しました通り、違法性の認識と言いますか、当事務所でお答えした内容につきましてそれぞれ法的な専門家の皆さんにもしっかり照会をかけたところ、全く指摘はなかったということをご報告させていただきました」

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寄付ではないかと疑われても仕方ない…

おととい、政治資金パーティー問題について釈明した自民党、富山1区選出の田畑裕明衆議院議員。

今月開催予定だった政治資金パーティーの案内状に「ご入金のみ」の項目を設け、専門家から違法な寄付の呼びかけに当たると指摘されていました。

自民党 田畑裕明 衆議院議員:「当然あのパーティーの対価としてパーティー券を販売ということを行っておりますので、全く寄付を求めるという形でお願いをしていたことは全くございませんので」

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田畑議員は「ご入金のみ」の記載について寄付の呼びかけを否定しましたが、政治資金規正法に詳しい専門家は、「対価としてパーティー券を販売した」という説明に矛盾を指摘します。

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神戸学院大学 上脇博之教授:「それは説明になってないですね。総務省の見解だと政治資金パーティーはみなさんがどこかに集まってですね。対価、一定程度の飲食とか、何らかの講演を聞くとかですね。そういう対価性がある場合を政治資金パーティーと呼んでるんですね。入金のみで全く会場に参加しないという意味でチェックされたとなると、それは政治資金パーティーの収入とは言えないですね。寄付ではないかと疑われても仕方ないと思いますね」

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何ら指摘を受けていることはございません…

インタビューでは「書面での回答の通り」を繰り返し、報道陣の質問を打ち切った田畑議員。上脇教授はこの姿勢について「国民の疑惑を招かない」とする政治資金規正法の基本理念に反すると主張します。

神戸学院大学 上脇博之教授:「政治資金規正法というのは国民が監視できるような法律になっているわけですね。その時に何か疑いを持たれた、その疑いも場合によっては違法ではないか、というような疑いであれば、その疑いを払拭できるように説明をする責任があるんですよね。国民に選ばれた議員であればなおさらその疑いを払拭する説明責任を果たすべきですから。ペーパー1枚で説明したからそれで終わりということであれば、説明責任を真摯に果たしたことにはならないですね」

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自民党 田畑裕明 衆議院議員:「この “ご入金のみ” という記載の関係につきまして、官邸筋、また党本部、そしてまた複数の法的な専門家の皆さまにもご確認をさせて、当事務所の考えをですね、お伝えをさせていただきまして、何ら指摘を受けていることはございません」

どういう法律の専門家に相談したのか…

「ご入金のみ」の記載について「複数の法的な専門家」に問い合わせ、何も指摘を受けなかったという田畑議員。

しかし、政治資金問題に詳しい岩井奉信(いわい・ともあき)日本大学名誉教授は指摘がなかったことに疑問を投げかけます。

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日本大学 岩井奉信名誉教授:「政治資金やこういったパーティーの問題に詳しい専門家、法律の専門家に相談すればですね。この一文(ご入金のみ)はなんか問題になりますよ、引っ掛かってきますよということは必ず指摘されるはずですよ。そういった意味でいくとどういう法律の専門家に相談されたのかなとちょっと疑問に思いますよね」

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チューリップテレビは、田畑議員の事務所に「複数の法的な専門家」について氏名の開示を求めましたが、担当者不在のため、回答はありませんでした。