織田信長の叔父・信康が築城した国宝犬山城の城下町では5月10日(金)まで、「端午の節句飾り」が行われています。犬山城下町にたたずむ町家を舞台に、勇ましい五月人形が飾られる伝統的なイベントです。会場となる「旧磯部家住宅」には15組のきらびやかな甲冑飾りが並び、見る人を楽しませます。

旧磯部家住宅

江戸時代には呉服商を営んでいたという旧磯部家住宅は、当時の建築様式を持つ木造家屋です。犬山市内の町家で唯一「起り屋根(むくりやね)」が残る貴重な建物。緩やかなふくらみをもたせた屋根が印象的です。

端午の節句飾り

「犬山北のまちづくり推進協議会」会長・渡邊昭美さんによると、城下町の中には子どもが生まれたときに、親から贈られた五月人形がたくさんあったといいます。「『ぜひ陳列しては』という話がありました」と渡邊さん。

かぶとの三段飾り

甲冑飾りの多くは平安時代の武具を模した「三段飾り」。糸で編まれた威(おどし)や錦糸の装飾は見どころの1つです。また、戦前に作られたかぶとの三段飾りも展示されています。

渡邊会長:
「最近では二段の甲冑飾りも出てきています。蔵には最近の五月人形も飾っているので、見てみてください」