政府の会議資料に中国国営企業のロゴの透かしが入っていた問題で、この資料を提出した専門家が謝罪会見を開きました。日本の政策に中国の介入があったのでしょうか。

■理由は“パソコンの操作ミス”

斎藤健経済産業大臣
斎藤健経済産業大臣
「なぜ特定企業の透かしのようなものが入っていたのか」
高市早苗経済安保担当大臣
高市早苗経済安保担当大臣
「関連政策の検討にあたっては、他国から干渉されるようなことがあってはならない」
自然エネルギー財団 大林ミカ事業局長

 全身、黒い服装で会見を開いたのは、政府の会議資料を提出した民間構成員の大林ミカ氏です。

自然エネルギー財団 大林ミカ事業局長
「本当に慚愧(ざんき)に堪えないと思っていますし、あまりにも不注意だったと反省しています。申し訳ございませんでした」
パソコン上では何も見えないが…
スマートフォンで見てみると…

 問題の「中国企業のロゴマーク」というのが資料の右上のこちら。一見、パソコン上では何も見えませんが、スマートフォンで見てみると薄くロゴが入っていることが分かります。

 透かしのロゴが入っていたのは、再生可能エネルギー導入に向けた規制の見直しを目指す、内閣府の会議資料です。他にも経済産業省や金融庁に提出した資料に“透かし”が入っていました。

透かしの資料を使い、河野大臣に説明

 大林ミカ氏は、自然エネルギー財団の事業局長という立場で、透かしの資料を使って、河野太郎大臣にこう説明していました。

大林氏
「2030年までに世界全体の再生可能エネルギーの容量を3倍に引き上げていくという約束を各国がいたしまして、日本もプレッジ(誓約)をしております。目標を達成するために日本ができることを考えていく必要があると思います」

 透かしが入った理由について、大林氏はパソコンの操作ミスだったと釈明しました。

中国国家電網公司が発表した資料
大林氏
「こちらが中国国家電網公司の方が発表された資料になります。さまざまな構想の例を挙げて説明をする資料の一つとして、これを使わせていただきました」
ロゴを削除
大林氏
「こういう形で削除していく。(ロゴが)選択されていると思っておりましたので、そうしますとこうやって削除されたわけです」
見えなくなっていたが…黒くしていくとロゴが出てくる
大林氏
「スライドみますと、(ロゴは)全くないように見えるが、ご指摘があったように、ここに入っているわけです。全く気がついていなかった。選択するとこうやってイメージが出ていて、黒くしていくと、こうやってかすんで出てくるんだということを今回初めて分かった事態でございます」


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