お笑いコンビ「ダウンタウン」の松本人志さんが週刊誌の記事で名誉を毀損されたとして損害賠償などを求めた裁判で、「文藝春秋」側が争う姿勢を示しました。

 松本人志さんは「週刊文春」に掲載された女性に性的な行為を強要したとする記事で名誉を毀損されたとして、発行元の文藝春秋などに対して5億5000万円の損害賠償や記事の訂正による名誉回復を求める裁判を起こしています。

 28日午後、東京地裁で開かれた第1回口頭弁論で文藝春秋側は全面的に争う姿勢を示しました。

 文藝春秋側は記事について「お笑い界のみならず名実ともに日本の芸能界トップに君臨する原告が複数の女性に対し同意を得ることなく性的行為に及んだ事実を報じるもの」と訴えました。

 そのうえで「社会的強者による性加害が社会問題化している昨今の社会的潮流の存在に照らせば、社会に強い影響を与える地位にある原告が、女性の尊厳ないし人権を無視する言動を行ったことを報じるものとして公共の利害に関する事実に係るもの」などと主張しています。

 一方、松本さん側は「性的行為を強要したという客観的証拠は存在しない」「芸能活動に致命的な負の影響を与えることにより、社会的評価を低下させる」などと主張しています。

 また、松本さん本人は裁判を前に「人を笑わせることを志してきました。自分の主張はかき消され受け入れられない不条理に、ただただ困惑し、悔しく悲しいです。世間に真実が伝わり、一日も早く、お笑いがしたいです」とコメントしています。