栃木県那須町で男女の遺体が見つかった事件で、警視庁は、身元が分かっていなかった女性の遺体について、死亡した宝島龍太郎さん(55)の妻・幸子さん(56)であると発表しました。


■押収車の血痕とDNA型一致

女性の遺体は首を絞められ、頭に複数の骨折がありました。警察が押収した車には血痕が残されていて、幸子さんのDNA型と一致。車からは、幸子さんの免許証も見つかっています。

夫婦二人三脚で、飲食店などの事業を拡大してきました。龍太郎さんが社長を務める2つの会社で、幸子さんは取締役です。

宝島さんが経営する店の元従業員
「旦那さんは店の管理とか、人事とかは奥さんがやっている。奥さんは自転車でこの辺の十何店舗やっていて、毎日午後から夜までは自転車で回っている。大体が集金」

幸子さんを知る人
「(Q.奥さんとは中国語で話す)ほとんど。『お元気ですか』とか日常生活の話をしている。奥さんと同じ言葉ができるから、中国語」


■夫婦は都内住宅で暴行されたか

複数人が動員された組織的な犯行とみられているのに、逮捕されたのは平山綾拳容疑者(25)だけ。事件は思ったより複雑な構造です。

逮捕された平山容疑者は、取り調べに『遺体の処理を頼まれ、友達に依頼した』と供述していることが分かりました。平山容疑者に指示を出したのは“兄貴分”にあたる人物だということで素性は分かりません。

そして、平山容疑者が遺体の処理を頼んだ2人は数回、酒を飲んだことがあるだけの“飲み友達”だといいます。“兄貴分”と“飲み友達”は面識がないということです。

事件が発覚する前日の15日午後10時ごろ、平山容疑者は品川区のコンビニで、飲み友達だという2人と合流。乗って来た車を2人に預け、その場から立ち去ったといいます。

その後、16日午前0時ごろのこと。2人は、都内の住宅で宝島さん夫婦と接触したとみられることが新たに分かりました。夫婦は、この家で何者かに暴行を加えられた可能性もあります。

平山容疑者は、遺体処理を頼んだ2人とは「遺体発見の報道が出た後、連絡が取れなくなった」と話しているといいます。指示を出した人物については「怖い人だ」としていて、警視庁はこの人物の特定を急いでいます。