大会7日目を迎えた神戸世界パラ陸上。
昨年の世界パラ陸上で金メダルを獲得し、連覇を狙っていた福永凌太(25)が視覚障がいのクラス400mで銀メダルを獲得しました。

福永はひとつ外のレーンを走る世界記録保持者、アルジェリアのアスマニをターゲットにレースを進めていきます。
序盤、飛び出したのはアスマニ。
前日の予選で48秒台を出し「全く良くなかった」と話していた福永は、それでもこの日、中盤以降徐々に伸びのある走りを見せ、「予選を加味するとここまで修正できたのは評価できる」と振り返っていました。

しかし、後半もスピードが落ちなかったアスマニは自身が持つ世界記録を更新し金メダルを獲得。
連覇を狙った福永は銀メダルとなりました。
レース後「悔しいし申し訳ない。ただ、銀メダルはだれでも取れるものではないので誇りに思いたい。パリに向けては自分の目指している動きがあるのでそこに向けて再現性をあげていきたい」とパリパラリンピックを見据えていました。

これまで日本のパラ陸上を担ってきた選手たちが数多くパリパラリンピックや今季限りでの引退を表明をしているなか、
今大会開会式では選手宣誓を務め、次世代の日本を代表する選手になりつつある福永。
「昨年世界パラ陸上に出場して、パラスポーツは見るのもやるのも楽しいと思った。少しでも興味を持ってもらえる方が増えていければ良い」と今後のパラの発展についても口にしました。

このほか、21日にも銀メダルと銅メダルでダブル表彰台に乗った兎澤朋美(25)と前川楓(26)はこの日行われた走幅跳でも表彰台。なんと4m66という全く同じ記録で競技を終了しました。
結果としては2番目に良い記録が採用され、4m61を跳んでいた兎澤が銀、前川が銅となりました。

兎澤、前川とともに走幅跳に出場していた湯口英理菜(24)は、両足に義足をつけて試合に出ている日本代表唯一の選手です。
両足に競技用義足をつけている最中は普通に立っていることも難しいほどで、この日も選手紹介の際には隣にいたスペインの選手が支えてくれていました。
初めての世界パラ陸上となった今回、「自分と同じ障がいの方にも競技ができるということを知ってもらいたい」という思いをこめ、4m超えの自己ベスト。
「パリに向けてはまだまだ記録が足りない」としながらも、世界への第1歩を踏み出しました。

〔今大会日本勢のメダル〕※23日時点
金:0
銀:7
銅:9

※この映像にはナレーションはありません。ご了承ください。