南海トラフ地震が起きた場合に想定される各地の想定震度

17日夜、四国地方で発生した震度6弱の地震。

「南海トラフ地震」との直接の関係はないと見られていますが、もし想定される地震が起きたら福岡はどうなるのか、取材しました。


福岡県内では久留米市や柳川市などで震度3を観測(17日夜)

17日午後11時14分ごろ、愛媛県愛南町と高知県宿毛市で震度6弱を観測するなど四国地方で大きな揺れを観測した地震。

福岡県でもけたたましく緊急地震速報が鳴り、久留米市や柳川市などで震度3を観測しました。

就寝時間帯を襲った地震。

一夜明け、福岡の街で聞いてみるとー


福岡の街の人は…

◆街の人
「完全に寝てて、スマホが鳴ったから飛び起きて、それと同時に息子からも(電話が)かかってきたのでびっくりしました」

◆街の人
「会社の本社が愛媛にあるんですけど、それで南海トラフ地震の話があるので、大丈夫かなっていう」

聞こえてきたのは、南海トラフ地震への不安の声。


南海トラフ地震の想定震源域

「南海トラフ地震」は、今後30年以内に70パーセントから80パーセントの確率で発生が予想されている巨大地震で、今回の地震はこの『想定震源域』で起きました。

ただ気象庁は、今回の地震は「南海トラフ地震」とはメカニズムが異なることから、巨大地震の可能性が急激に高まったわけではないとみています。

では、南海トラフで「巨大地震」がひとたび発生すると、福岡への影響はどうなるのでしょうか?


南海トラフ地震 福岡への影響

政府の被害想定によれば、福岡県内は瀬戸内海沿岸で北九州市などに最大4メートルの津波がー

そして、震度4以上の揺れが2分から3分続くと想定されていて、この揺れには「長周期 地震動」も含まれるといいます。


名古屋大学 福和伸夫 名誉教授

◆名古屋大学 福和伸夫 名誉教授
「(長周期 地震動が起きると)高層階のオフィスや住宅の家具が大きく移動。それからエレベーターが停止して使えなくなる」

2011年に起きた東日本大震災でも「長周期 地震動」が発生。

震源地から直線距離で500キロ以上離れた大阪でも、エレベーターに閉じ込められたり、天井のパネルが落ちたりする被害が出ました。

福岡ではここ数年、100メートルを超えるような高層ビルや、タワーマンションの建設が相次いでいます。


福岡は南海トラフ地震 想定震源域から離れてはいるが…

南海トラフ巨大地震が起きると、この「長周期 地震動」による被害は『想像を超えるものになる』と専門家は言います。

◆名古屋大学 福和伸夫 名誉教授
「東日本大震災が起きた場所から東京までの距離と、南海トラフ地震が起きたときの福岡までの距離を比べてみると、そんなに大きくは違わないと想像される。福岡は震源域から多少離れていますが、高いビルは相当に厳しい状況になるだろうと想像されます」