名門校の知られざる姿を、生徒や親、教師など、さまざまな視点を通して紐解く情報ドキュメンタリー「THE 名門校!日本全国すごい学校名鑑」(BSテレ東 毎週土曜午前10時30分)。「名門とはいったい何か?」常識を打ち破る教育現場に密着する。

【動画】名門校にカメラが潜入!

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今回紹介する名門校は、東京・町田市にある玉川学園小学部(以下、玉川学園)。幼稚部から大学・大学院まで揃う総合学園の小学校だ。
高等部卒業生は玉川大学だけでなく、例年、早慶上理やGMARCHなど難関大に多数が合格。海外の有名大学にも多くの生徒が進む『国際性に富む進学校』だ。
ユニークな授業と、基礎を育む小学部の伝統『労作の学び』の姿に迫る。

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東京・町田市。小田急線「玉川学園前駅」から徒歩3分、玉川学園の正門が見えてくる。
木々に囲まれ『玉川の丘』と呼ばれる広大なキャンパスは、東京ディズニーランド約1.2個分の広さだ。

1929年に創立。教育者である小原國芳が自らの教育理念を実践するために、山をひとつ切り拓いて作った幼稚部から大学院まで揃う総合学園。
玉川学園小学部は男女共学で、全校児童は792人。高等部を卒業すると、約3割の生徒が玉川大学に進学する。2023年春の他大学合格実績は、国公立大学7人、早慶上理26人、GMARCH54人、ブリティッシュ・コロンビア大学など海外の大学に34人が進学している。

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正門から、自然豊かな歩道を10分ほど歩くと、小学部の校舎が見えてくる。4階建ての校舎は、まるで南国のリゾートホテルのような外観だ。

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早朝、多くの児童が登校してきて勢いよくグラウンドへ飛び出す。大好きなクラスメートと早く遊びたいのだ。男女一緒にサッカーをする姿が微笑ましい。
朝会では、大きな声で校歌を合唱! 児童たちが学校生活を楽しむ様子が伝わってくるが、玉川学園の魅力はどこにあるのか。早速校舎を見ていこう!

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玄関を入ると、木材をふんだんに使った温もりのある空間が広がっている。図書コーナーには、雑誌や小説など、英語の本も多く揃う。
児童たちが健やかに育つ小学部には、教員室が無い。教室ごとに担任ブースがあり、先生はいつも児童をすぐそばで見守っている。記事画像
ボルダリングウォールや礼拝を行うチャペルなど、設備も充実。児童に学校の魅力を聞くと、「楽しいです。自然の中に学校があるので、静かに集中して勉強ができます」「自然が多くて、みんなが明るくて仲良しです」と、笑顔で教えてくれた。

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小学部5年生の教室を見てみると、英語の授業の真っ最中! プロジェクターには「授業中は英語だけ」と書かれており、児童は小学生とは思えない立派な意見を流暢な英語でスピーチしている。

玉川学園は、世界各国の大学への入学資格が得られる「国際バカロレア」認定校で、その教育プログラムが導入されている。
小学部6年生から「国際バカロレアクラス(通称:IBクラス)を選択可能。IBクラスの上村珠寿さん(高等部3年生)は、「海外の方の感覚に触れる機会が多く、IBクラスを通して積極性を得ることができました」と話す。IBクラスを選んだ生徒の約4割は、海外の大学に進学している。

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創立者の小原國芳はこんな言葉を残している。

「百聞は一見に如かず 百見は一労作に如かず」。

『労作』とは、何事も自らの意志で積極的に取り込むこと。玉川学園では、その教えが今も生きている。

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例えば音楽の授業。小学部4年生になると、全員が自分のオリジナル曲を作詞作曲する。
金井心杜さんが「いつもみんなが笑顔で!」と願いを込めた曲『Smile For Everything』は、2023年の音楽祭で、4年生全員が合唱した。

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小学部2年生のある日の授業。遠足のように見えるが実はキャンパス内で、研究用の田んぼが広がり、こちらも労作の場になっている。田んぼで泥んこになりながら、田植えから収穫まで農作業を体験するのだ。

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この日は、1年かけて育てたお米をみんなで試食。「今まで食べたご飯で一番おいしかったです!」「これで2年生を終われて最高です!」と、みんなうれしそう!
「体験を通して学んだことは子どもたちの思い出に残りますし、小さいうちに経験したことが、大きくなった時の難しい学習の時に生きてくるのかなと思っています」(小学部2年担任・廻谷美和先生)。

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労作の学びを通して、夢を見つけた児童も。小学部4年生の生天目悠太くんは、玉川学園の自然豊かな環境に触れ、昆虫採集に夢中になっている。
4年間で集めた昆虫は460体もあり、「将来は生物学者になりたい」と話す悠太くん。

夢中になれるものを見つけてとことんやってみる…玉川学園の児童たちは、自ら考え、自ら体験する『労作』によって、一歩一歩成長していく。

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5年生の百合愛さんも労作に励む一人。自ら宿題が一目で分かるホワイトボードを設置し、クラスのみんなの助けになっている。オンラインで行われていた礼拝についても、「(コロナ禍で)一度もチャペルで礼拝をやったことがないので、最後はチャペルで行いたい」と先生に直談判。百合愛さんは、クラスのリーダー的存在だ。

そんな百合愛さんが大切にしているのが掃除の時間。玉川学園では、掃除のことを「美化労作」と呼び、「掃除をやらされるのではなく、自ら率先して行う」というのが学校の教え。
黒板を拭いた後はすかさず雑巾がけ…クラスで一番早く動き、どんどん掃除をしていく百合愛さんだが、そこにはこんな思いがある。

このクラスで過ごせる時間もあとわずか。「掃除は楽しい!」ということをみんなに伝えたい…。

「一人一人がする小さな一歩が、世界にとっては大きな一歩になる。(美化労作も)みんなでやった方がもっときれいになる」と明るく話す百合愛さんに、カメラが密着する。

番組では、百合愛さんの自宅での様子や百合愛さんのお母さんのアドバイス、合唱祭の様子なども紹介する。

毎週土曜午前10時30分放送! 「THE名門校!日本全国すごい学校名鑑」(BSテレ東)をどうぞお見逃しなく!