明治安田生命J1リーグ第13節、鹿島アントラーズvs名古屋グランパスが14日に国立競技場で催され、2-0でホームの鹿島が勝利を収めた。

鹿島は直近4試合を無失点での4連勝と復調し、前節を終えて5位まで浮上。岩政大樹監督は国立決戦へ向けて前節から先発メンバーを1人変更し、土居聖真に変えて名古新太郎を起用した。

対してドローが続いていた3位の名古屋は、前節ガンバ大阪戦の白星で4試合ぶりの勝利。今節へはスタメン4人を入れ替え、永井謙佑やキャスパー・ユンカーが先発に復帰した。

『Jリーグ30周年記念スペシャルマッチ』として催された一戦は、キックオフ前に両キャプテンによる高円宮殿下への選手紹介も行われ、序盤は鹿島がディエゴ・ピトゥカの横パスから鈴木優磨がボレーを見せれば、名古屋はユンカーを生かしたロングカウンターを披露する。

12分にはアグレッシブさを見せた鹿島が右CKからネットを揺らす。樋口雄太のキックからブロッキングでマークを外し、フリーとなった鈴木がヘディングでネットを揺らしたが、オンフィールド・レビューの結果、コンタクトは故意に腰を突き出して稲垣祥を倒したとして反則に。キック前だったとの判定で再度のCKが指示された。

この判定を巡って鹿島はチーム全体で木村博之主審へ猛抗議し、岩政監督も執拗に第4審にも詰め寄ったが判定は変わらず。明けてのCKからは関川郁万がヘディングシュートを放つも、クロスバーを越えた。

不満を募らせながらもサポーターを含めて熱量は増すこととなった鹿島は、リバウンドメンタリティを発揮し、29分には再び右CKから鈴木が正真正銘の先制ゴールを奪う。ファーサイドでフリーとなり、樋口の完璧なキックに頭で合わせると、どうだとばかりに木村主審へのガン飛ばしパフォーマンスを披露した。

セットプレーで翻弄された名古屋は、前半の終盤に見せ場を作る。38分はマテウス・カストロのクロスにユンカーが頭で合わせ、4分後は米本拓司が強烈なミドル。だが、いずれも関川の魂のブロックに阻まれた。

鹿島のリードで迎えた後半は球際でのバトルが激しさを増し、明確なチャンスが訪れない中で名古屋は選手交代で打開を図り、68分に途中出場の和泉竜司が右足のフィニッシュを放つ。

82分には相手ゴール前でのこぼれ球を長澤和輝がワンタッチではたき、和泉に好機が訪れたが、常本佳吾と土居に対応されてシュートにまでは至らない。

すると、直後に鹿島が追加点を奪取。83分、早川友基のフィードから知念慶が決定機を迎え、これはGKランゲラックに阻まれるも、高い位置ですぐさまボールを奪い返し、セカンドチャンスを知念がものにした。

後がなくなった名古屋は若鯱FW貴田遼河の折り返しから酒井宣福が反転シュートを放ち、追加タイムには藤井陽也もミドルを見せるも、最後まで鹿島ゴールを割ることができず。勝負強さと強度を見せた鹿島がクリーンシートで5連勝を飾り、国立決戦を制している。

鹿島アントラーズ 2-0 名古屋グランパス
【鹿島】
鈴木優磨(前29)
知念慶(後39)