ローマのレジェンドであるフランチェスコ・トッティ氏が、後輩ダニエレ・デ・ロッシ監督の指揮官としての優れた手腕を称賛している。

ローマは1月中旬に正式不振を理由にジョゼ・モウリーニョ前監督を電撃解任。そのスペシャルワンの後任として、オーナーのフリードキン・ファミリーが招へいしたのは、クラブのレジェンド中のレジェンドであるデ・ロッシ監督だった。

ローマ人であり、キャリア晩年にボカ・ジュニアーズへ移籍するまで、ほぼジャッロロッシ一筋のキャリアを歩んだ現役時代の実績を考えれば、暫定指揮官として適任と言える存在だったが、指導者としてはセリエBのSPALでの失敗もあり、就任時にはその手腕に懐疑的な見方も強かった。

しかし、蓋を開けてみれば、セリエA首位を快走するインテル戦、主力を温存したブライトンとの敵地での2ndレグで敗戦を喫したものの、ここまで指揮した公式戦13試合で9勝2分け2敗と見事な戦績を残す。

その好成績に加えて、前指揮官の下で染みついた前線のタレント任せの消極的な[5-3-2]の堅守速攻スタイルから、短期間で[4-3-3]の能動的なアタッキングフットボールへの転換に成功。選り好みが激しかったポルトガル人指揮官に対して、起用可能な選手に積極的にチャンスを与えるマンマネジメントを含め、早くも名将の風格を漂わせる。

イタリア『スポルト・メディアセット』で、その後輩のここまでの仕事ぶりについて尋ねられたトッティ氏は、「デ・ロッシがすぐにここまでうまくいくとは思わなかったが、そうなることを願っていた」と、正直な感想を口にしつつも、その手腕を称賛している。

「彼は自分が素晴らしい監督であることを証明している最中だ。ジャロロッシのファン全員と同様に、私も彼がこのレベルを維持し続けることを願っている」

「ローマは難しい場所だが、彼はその価値を示している。彼は街、ファン、クラブのことをよく知っているし、プレーヤーが最大限の安心感を持ってプレーできるよう、これらすべてをまとめている」

また、今季はモウリーニョ体制下でコンディションやパフォーマンスの問題を抱え、以前から内向的な性格によってカピターノとしてのリーダーシップにも疑問符が付いていた中、デ・ロッシ新体制で頼もしい活躍を見せるMFロレンツォ・ペッレグリーニ。

同じローマ人であり、カピターノとしての重圧を誰よりも知るレジェンドは、デ・ロッシ監督の下で輝きを取り戻した可愛い後輩のここ最近の奮闘ぶりに目を細める。

「ペッレグリーニ? デ・ロッシの後、次のカピターノを見つけるのは難しかったが、私は以前からローマ出身のロレンツォが真のカピターノであると話してきた。現在、彼はフィジカル的に状態が良く、チームが彼に求めているすべてのことを行うことができる」

なお、以前からフリードキン・ファミリーと定期的にコンタクトを取っているトッティ氏は、クラブ幹部としての帰還の可能性も取り沙汰されており、来シーズンはその後輩2人をフロントとして支えることになるかもしれない。