名前と見た目だけのモデルも多数存在! 雰囲気で悪路に突っ込むとやっちゃう可能性のある「SUVっぽい」クルマ4選

この記事をまとめると

■ここ数年SUVが大人気だが同時に名ばかりで「悪路」に行けないSUVも多い

■キモとなるのは最低地上高で、車種によっては一般的な乗用車と同じ数値の場合もある

■ちょっとした悪路走行も考えているのなら185mmくらいの最低地上高は欲しいところだ

名前的には悪路に行けそうでもスペックが追いついていないSUV

 クロスオーバーSUVといえば、大径タイヤでロードクリアランスを確保したスタイルが魅力。舗装路しか走らないユーザーであっても、オフロードでの可能性に価値を見出し、プラスアルファを支払っているともいえる。

 だからといって本気のオフロード性能を求めるユーザーが多数派というわけでもない。ロードクリアランスに余裕のあるSUVスタイルが手に入るのであれば、駆動方式は4WDにはこだわらないというユーザーも少なくない。

 スバルのクロスオーバーSUVラインアップにおける末弟的モデル「クロストレック」は、従来までのXVが全車AWDだったのに対して、廉価版としてFWDをラインアップするようになった。それでも基本アーキテクチャーを同じくするインプレッサよりロードクリアランスを確保したシルエットは守っている。

 具体的には、新型インプレッサの最低地上高が130〜135mmなのに対して、クロストレックは全グレードで200mmを実現している。これほどでなくとも、クロスオーバーSUVというのであれば、185mmくらいの最低地上高は確保してほしいものだ。

 とはいえ、最低地上高にこだわっていないような「なんちゃってクロスオーバーSUV」もそれなりに存在するのも事実。メーカーの市場調査によってユーザーはそこまで求めていないという結果も出ているということなので、最低地上高の数字をあげつらって批判するのは筋違いではあるが、それなりの最低地上高を確保していないクロスオーバーSUVで悪路に入ってしまうと腹下をブツけてしまうかもしれないので注意が必要だ。

 気を付けるべきクロスオーバーSUVの代表格といえるのが、トヨタのクラウンクロスオーバーだろう。セダンのクラウンからクロスオーバーSUVのクラウンへ、ドラスティックな変革をしたモデルは、名前に「クロスオーバー」と入っていることもあり、SUV的な悪路走破性を期待してしまうが、さにあらず。

 じつはクラウンクロスオーバーの最低地上高は145mmしかない。それでも、先代モデルの220系は最低地上高130〜135mmだったので余裕を増しているはず……と言いたくなるが、じつは先々代のS210系では4WDの最低地上高は145〜150mmだった。つまり、典型的なセダンであったクラウンよりもロードクリアランスの余裕は、わずかだが減っているのだ。

※画像はFRモデル

名ばかりなのでオフロードに行く際は要注意!

 なんちゃってクロスオーバーSUVというテーマになると、必ずといっていいほどピックアップされるのがホンダ・フリードのSUVテイストグレード「クロスター」だろう。専用バンパーやグリルなどで標準車とは差別化されたルックスだが、最低地上高についてはFFで135mm、4WDで150mmと標準系グレードと同一スペックになっている。

 ちなみに、ホンダ・フィットのラインアップにも「クロスター」は用意されているが、こちらは大径タイヤの採用により、標準系の最低地上高135mmに対して、クロスターは160mmと余裕を増やしている(いずれもFFの数値)。

 話題の軽スーパーハイトワゴンのクロスオーバーSUV「三菱デリカミニ」の最低地上高は、FFこそ姉妹車のeKスペースと同じ155mmとなっているが、4WDは大径タイヤの採用により160mmと、わずかながら余裕を持たせている。

 一方、軽スーパーハイトワゴンのSUVテイストモデルの元祖ともいえるスズキ・スペーシアギアの最低地上高は駆動方式にかかわらず150mmで、これは標準車といえるスペーシアと同じスペック。外観のイメージはまったく異なるが、悪路走破性については基本的に標準車と変わらないと理解することができる。それでも、前述したクラウンクロスオーバーよりは5mmほど余裕があるのも、また事実だったりする。

 本気のSUV性能を持つクラウンを求めているユーザー層は、2024年に発売予定のクラウンエステートを待つというのも手だろう。ただし、クラウンエステートがハリアー並みの最低地上高(190〜195mm)となっているという確証はないゆえ、あしからず……。