例年、SNSで話題になっている青森・弘前の「ハートの桜」。ちょうど空の見えるスペースがハート形に見えるのです。市によると、所在地は「非公開」。どうやったら撮影できるのか、満開のタイミングで記者が訪ねてみると、昼と夜とではまったく違った表情をみせてくれました。(朝日新聞青森総局・野田佑介)
弘前公園 「桜のトンネル」満開
青森県弘前市の弘前公園では「弘前さくらまつり」が開催中で、まさに春満開です。弘前市が発信している「弘前公園さくら情報」によると、園内や「桜のトンネル」は19日に満開を迎えました。
外堀はすでに満開となっていて、園内のどこでも色鮮やかな桜の光景を楽しめます。
たくさんの弘前の桜の写真がSNSにアップされていますが、その中で気になる写真を見つけました。
桜の花の中に、ぽっかりとハートマークが空に浮かぶ光景です。「本当にきれいなのでぜひ現地で見ていただきたい」「満開の時に生で見たい」「めちゃくちゃロマンチック」と話題になっています。
記者もぜひ写真に収めたいとカメラ片手に足を運びました。
でも、なかなか見つかりません。手がかりを得ようと弘前市に聞いてみたところ、「非公開なんです」という。「桜を眺めながらハートマーク探しも楽しんでみてください」とのことです。
空に浮かんだハートマーク 撮れたけど…
園内を歩き回っていると、人だかりができている場所を見つけました。中腰になったり、しゃがんだりしながら空に向けてカメラを向けています。その後ろに回ってみると、空にはっきりとハートマークが浮かんでいました。
少し近づくと、地面にピンクのハート型の目印がありました。スマートフォンを地面に近づけ、何回もシャッターを切りました。
見つけられただけでも満足でしたが、どこか物足りなさがありました。SNSでたくさん見かけたのは夜の写真だったからです。
せっかくだからと市内を散策しながら夜になるのを待ちました。
夜桜の写真を撮った後、昼間に撮影した場所に戻ってみると、さらにくっきりとハートマークが浮かんでいました。
人だかりの中でシャッターを切ると、思った以上に良い写真が撮れました。撮影はやはり日没後がおすすめです。
八重桜「弘前七桜」はこれから満開に
弘前市によると、園内には52種類約2600本の桜が植えられています。およそ1700本あるソメイヨシノは今が見ごろ。大勢の観光客がゆったりと桜を眺めたり、カメラを構えたりしています。
種類によって開花や満開の時期が異なるので、5月の大型連休の終わりごろまで楽しめるといいます。
弘前さくらまつりは5月5日まで。花吹雪や、散った桜の花びらが堀の水面を覆う「花いかだ」は今月20〜24日ごろが見ごろ。
ソメイヨシノに続いて咲き始める八重紅枝垂(やえべにしだれ)や弘前雪明かりなどの「弘前七桜」は21日以降に満開になる予報です。弘前公園では午後10時までライトアップをおこなっています。