「はしーれ はしーれ いすゞのトラック〜♪」のCMソングでおなじみの、いすゞ自動車。同社のミュージアム【いすゞプラザ】に、クルマ大好き8歳息子と行ってきました。最新のトラックに乗れるほか、子どもが見て触って遊べる体験ブースが目白押し! 「これ、本当にタダ?」と息子も驚いた、その楽しさの秘密をレポートします。

はたらくクルマを「触って」「乗って」体験できる【いすゞプラザ】

トラックをはじめ、街のあちこちで活躍しているはたらくクルマ。一生懸命はたらくカッコいいその姿に、憧れているお子さんも多いのでは? 

「もっと間近でじっくり見てみたい!」「実物に乗れたらいいのに……」そんな子どもたちの夢を叶えてくれるのが、今回ご紹介する【いすゞプラザ】です。

【いすゞプラザ】は、いすゞ自動車の創立80周年記念事業の一環として、2017年に藤沢工場の隣接地に開館した体験型ミュージアム。普段は遠目にしか見ることができないトラックやバスを間近でじっくり観察できるのはもちろん、「触って」「乗って」体験できるのが大きな魅力!

世界中で活躍するいすゞのクルマづくりや歴史なども知ることができ、子どもから大人まで多くの人が訪れる人気施設なんですよ。

入館には、公式HPから事前予約が必要になります。入館料は無料となっており、子育てファミリーのお財布には嬉しい限り。館内を好きなペースで見て回れる「自由見学」で、見学時間は2時間です。

いすゞプラザ 基本DATA

■所在地:神奈川県藤沢市土棚8

■TEL:0466-41-5811 受付時間:火〜金曜日(休館日をのぞく)10:00〜16:30

■開館日:火〜金曜(完全予約制)、土曜・祝日(当面の間、完全予約制)

■休館日:日・月曜(祝日の場合は翌平日)、ゴールデンウィーク、夏季休暇、年末年始

■開館時間:10:00〜16:30(受付15:30まで)

■予約:必要(詳細は公式HP参照)

■料⾦:無料

■アクセス:

[電車の場合]

◎小田急江ノ島線/相鉄いずみ野線/横浜市営地下鉄ブルーライン「湘南台駅」下車、駅(東口3番バス停)から無料送迎バスあり

※混雑時にはお乗りいただけない場合があります

※湘南台駅からいすゞプラザの所要時間は約10分です

[車の場合]

◎圏央道「海老名IC」から約10㎞

◎横浜新道戸塚料金所から約11㎞

■駐⾞場:あり(無料) ※満車時には駐車をお断りする場合があります

■トイレ:あり

■⾷事:隣のビルに「SAKURA Café(サクラカフェ)」あり

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※変更がある場合がありますので、詳しくはHP等でご確認ください。

【公式HP】▶いすゞプラザ

ミニチュアカーが自走する国内最大級のジオラマに釘付け!

街でよく見かけるあのいすゞのトラックに、実際に乗り込めるなんて楽しそう!

息子がはたらくクルマにいちばんハマっていたのは幼稚園生のときですが、小2になった今では当時よりクルマの知識も増え、どんなジャンルのクルマもオールマイティーで好きに。今の彼なら、ちょっとお兄さんらしい楽しみ方ができそうだと思い、【いすゞプラザ】に連れて行ってみることにしました。

館内に入ると出迎えてくれるのが、レトロ可愛いこちらのトラック。

いすゞ自動車が最初につくったトラック「ウーズレーCP型」(1924年製)です。どこか英国チックだと思ったら、いすゞの前身である東京石川造船所が、英国のウーズレー社と提携してつくったものだそうですよ。

いすゞの歩みが壁に描かれた見学通路を進んで行くと、奥には何やら人だかりが……。

近づいてみるとそこにあったのは、なんと全長12mもある巨大ジオラマ。まるでテーマパークのような演出で、テンションが上がります。

こちらの「いすゞミニチュアワールド」は、日本最大級のジオラマ。

架空の街「いすゞ県いすゞ市」の1日を再現し、いすゞのクルマが活躍する姿を紹介するジオラマとなっています。

精巧につくられたジオラマの街並みは圧巻。息子も目をキラキラと輝かせながら、かぶりつくように眺めています。

面白いのは、トラックやバス、消防車、救急車、屋形船などのミニチュアがちゃんと自走すること。プログラミングによる自動操縦で動いているんですって!

さらに人やモノを運んだり、火事の現場で活躍したりする様子をナレーションつきのジオラマショー仕立てで展開しているので、ライブ感たっぷりに楽しめるんです。

ジオラマショーは、1回15分です。我が家は1日の途中から見ることになってしまいましたが、みなさんはぜひ始まりから鑑賞してみてください。

ジオラマの前には見学者用の椅子が用意されているので、席を確保してお子さんとゆったり鑑賞するのがおすすめですよ。

1階展示エリアでは、トラック3種・バス・消防車に乗り放題!

ジオラマを見終えて順路を進むと、最新のトラックやバスがディスプレイされた展示エリアに到着。

ひゃあ〜、間近で見るトラックはやっぱり迫力満点ですね!

展示車両は、一部の車両を除き「触って」「乗って」体験できるとのこと。まずは、順番待ちせずに乗車できる小型トラック「エルフ」に乗り込んでみました。

トラック横には車内に乗り込むための階段が設置されていて、子どもが自分で乗り込みOK。子どもをいちいち抱き上げて乗せる必要がないので、付き添いの大人はラクチンです。しかもこの階段は、ドアがバタンと閉まるのを防ぐ役割も。子どもがドアで指を挟む心配がないから、安心して見守ることができます。

運転席に乗り込んだ息子は、さっそくハンドルを握ってトラック運転手気分を満喫! 

コンパクトなトラックは、息子くらいの身体の大きさでも車内のあちこちに手が届きます。ライトを点けたりウインカーを出したり、車内を思う存分触って楽しんでいました。

お次は、中型トラックの「フォワード F カーゴ」へ乗り込み。

先ほどの小型トラックに比べると運転席が高いので、路面を見下ろすような視界になり、“ザ・トラックからの眺め”という感じ。ほかのクルマを見下ろして走るのって、気持ちいいんでしょうね〜。

トラックならではのほぼ水平のハンドルをにぎるその姿は、本物の運転手と見間違えるほど!?

なんだか演歌も聞こえてきそうな……(笑)。 

ハンドルを切ると実際にタイヤも動くので、「ねぇママ、タイヤはちゃんと動いてる?」と筆者に確認しながら、ハンドル操作を楽しんでいました。

ハザードランプも点けてみたかったようですが、普通自動車にあるあの三角のマークがどこにも見当たらず……。トラックって、素人が運転しようと思ってもできないんだなぁと痛感しました。

続いては、大型トラックの「ギガ トラクタ」に乗車。

運転席に座ってみると、想像を超えた高さにビックリ。ちょっとドキドキしてしまうほどです。

大型トラックの運転席の高さは普通自動車の2倍とも聞きますが、それ以上に高く感じました。でもおかげで見晴らしがよく、眺めは抜群ですね!

しかも、運転席を含むキャビンがめっちゃ広い! 運転席の後ろには、仮眠できるベッドスペースもあります。小部屋のような広々とした空間は、まるで自分の部屋ごと移動しているみたい。これで旅ができたら楽しそうですね!

続いて乗車したのは、大型路線バスとして日本各地で活躍するいすゞのバス「エルガ」。

なんと路線バスのトップシェアを誇るのが、このいすゞのエルガだそう。バスを利用するときにメーカーや車名を気にしたことはありませんでしたが、実は知らないうちに乗っているのかもしれませんね。

残念ながら運転席には入れませんが、客席は自由に座ってOK。降車ボタンは押し放題なので、小さなお子さんたちは連打して楽しそうでしたよ。

展示車両の中でも最もにぎわっていたのが、「救助工作車」のコーナー。

救助工作車とは交通事故、水難事故、自然災害など、さまざまな救助活動に必要な道具を搭載した車両で、日本の消防車のひとつ。

こちらは2005年12月に藤沢市消防局に配備され、約15年にわたり、あらゆる人命救助活動の場面で活躍してきたヒーローなのだとか。

もちろん運転席にも乗り込みOK!

助手席にはオレンジの制服を着た相棒も乗っているので、レスキュー隊になりきって楽しみましょう。

続いて、はたらくクルマの模型がズラリとディスプレイされたコーナーもあり、息子も興味津々。

いすゞが誇る世界トップレベルのディーゼルエンジン技術は、クルマを動かすだけでなく、土木・建設工事、道路工事、港や倉庫などでの運搬、発電、農業、林業、漁業など、さまざまな場面で活躍しているんですって。

まさにいすゞは日本の誇りですね!

運転シミュレーターほか、体験ブースがいっぱいの2階展示エリア

続いて、2階の展示エリアに向かいます。

メインの乗り込み体験は終わったし、正直なところここは流し見程度でいいのかなと思っていた筆者でしたが、それは大間違い。むしろここからがハイライトだと言わんばかりに、フロアのあちこちに「見て」「触って」遊べる体験ブースが盛りだくさんなんです。

息子が最初に食いついたのは、「何を運ぶ?」のコーナー。

まずは手元にある5つの荷物から、運びたいものを選びます。

選んだ「テレビカメラ」を手元の小さなトラックの荷台に乗せると……

あら不思議! なんと正面にあるトラックが「テレビ中継車」に変身するんです。トラックは荷台を変えることで、本や飲み物、動物など、いろいろなものを運べることが体験できて楽しいですよ。

お次はカーデザイナーのお仕事を体験できるコーナー。息子の憧れの職業でもあることから、大喜び!

デザインしたい乗り物を選び、あとは好きな色で着色するだけ。

タッチパネルで直観的に操作できるので、小さなお子さんでも楽しめますよ。これを機に、カーデザイナーを目指す子どもたちも増えるかな?

ところで、クルマはなぜブレーキを踏むと停まるのでしょう? こちらは、そんな疑問に答えてくれるコーナーです。

三日月型のパーツ「ブレーキシュー」が、回転する円筒形の「ドラム」の内側を押し、タイヤの回転を止めるしくみになっているそう。百聞は一見に如かずなので、みなさんもぜひ実際に見て確かめてください。

そして息子がいちばん大興奮だったのが、大型トラックの運転シミュレーター。順番待ちの列ができていたため、10分ほど待ってようやく息子の番が回ってきました。

シートに座ってみると、息子の足がアクセルやブレーキに届かないことが発覚。シートを目いっぱい前に出したら、なんとかギリギリセーフでした。

いざドライブへ出発!

わぁー、まるで実際に運転しているかのようでとっても楽しそう。

でもシミュレーター画面は大型トラックの設定になっているので、運転は意外と大変。ハンドルを切るタイミングが遅れると、すぐにぶつかってしまいます。

クルマのゲームで遊び慣れた息子なら楽勝かと思ったのですが、意外にも「Dランク」判定でした(笑)。

それでもとても楽しかったようで、体験後に「またやってみたい!」と息子。ということで、再び列に並んで2回目の運転体験を楽しみました。まわりからも「もう1回やりたい!」の声が続々聞こえてきましたよ。

2階フロアには、いすゞの歴代の名車たちも展示されています。

体験ブースで思いのほか時間を使ってしまって、気づけば見学終了時間まで残り10分程度。じっくり見たかったいすゞの名車たちは、まさかの駆け足見学となってしまいました(涙)。

見学を終えたあとは、エントランスにあるプラザショップでお土産選び。

ここでしか手に入らない「いすゞグッズ」も販売されているので、要チェックですよ。

工作好きの息子は、プラスチック素材の工作キット「PPクラフトプルバックエルフ」(500円)をチョイス。楽しい体験ができ、お土産まで買ってもらえて大満足の息子でした。

まとめ

お土産で購入した「エルフ」のPPクラフト

【いすゞプラザ】の見学時間が2時間と知ったときは、ガイドツアーではない自由見学方式なので、絶対に時間を持て余すと思っていた筆者。でも見どころがいっぱいで、「2時間あっても足りなーい!」と叫びたくなってしまうほどとは、想定外でした(笑)。

はたらくクルマに夢中なドンピシャの幼児世代はもちろんですが、我が家の息子のような、ちょっとお兄さんのクルマ好きキッズも大満足。むしろ小学生だからこその楽しみ方ができ、今連れて来て良かったなぁと思いました。

館内には授乳室やおむつ交換台も設置されているので、赤ちゃん連れの来館も安心。安全上の理由で、ベビーカーはエントランスに置いての見学となりますので、抱っこひもを用意していくのがおすすめですよ。

(文・撮影:あゆーや/アソンデミエータ)

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あゆーや/アソンデミエータ
この記事の執筆者
あゆーや/アソンデミエータ
8歳男の子のママ。書籍編集者時代の自らのさまざまな体験を通して、実体験こそが一生の財産になると考え、息子にも新たな体験をさせようとお出かけする日々。そのなかでも、実際に息子が喜んだお出かけ先や体験スポット、工場見学などの情報を発信しています。
■ 子どもとお出かけ体験型ガイド「アソンデミエータ」
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