山梨県富士吉田市の遊園地「富士急ハイランド」のジェットコースター「ド・ドドンパ」(3月営業終了)で、乗客が首の骨を折るなど負傷が相次いだ問題で、乗客の頭の揺れが機体の揺れと「共振」したのが負傷の原因とみられることが、国土交通省の昇降機等事故調査部会の調べでわかった。同部会は28日に調査報告書を公表。共振による乗客への影響について「研究の進展が望まれる」とした。

 報告書によると、ド・ドドンパでは2020〜21年、乗客12人が首や胸の骨を折るなど重軽傷を負った。同部会の調査で、コースターが縦方向に1回転する「ループ」を通過する際、乗客の首の力が抜けるなどしていると、頭の揺れが機体の上下の揺れと共振し、増幅しやすいことが判明。乗客らは首が強く曲がるなどして負傷に至ったと分析した。

 富士急ハイランドは、乗車時はヘッドレストに頭を付けるよう案内していたが、同部会は負傷した乗客がそうした姿勢を取っていなかった可能性があると指摘。全国のジェットコースターの事業者に乗客への注意喚起を徹底させるよう、国交省に求めた。

 ド・ドドンパは、1・56秒で時速180キロまで加速する「世界一の加速力」が売りで、前身のコースターも含め約20年で約930万人が利用。事故を受けて21年8月から運休した。