皇室への献上を装って福島市や茨城県の農家から桃などをだまし取ったとして、詐欺などの罪に問われた東京都練馬区、農業園芸コンサルタントの男(76)の公判が2日、福島地裁(島田環裁判長)であった。検察側は懲役3年を求刑し、弁護側は詐欺と詐欺未遂の両罪について無罪を主張して結審した。判決は9月5日。

 起訴状によると、男は2022年6〜8月頃、福島市の男性農家に宮内庁が作成したと装った「献上依頼書」を示し、桃4箱(計1万6500円相当)をだまし取るなどしたほか、同様の手口で茨城県の農家からシイタケなどを詐取したとされる。

 検察側は論告で「被告に皇室献上品を推薦する権限は与えられていない」と指摘し、「被害者を信じ込ませた犯行で悪質だ」と述べた。弁護側は、献上品を推薦する権限があったと主張した。