【ソウル聯合ニュース】韓国科学技術情報通信部は10日、通信アプリLINE(ライン)の利用者情報流出を受け、日本の総務省が運営会社のLINEヤフーに対し大株主の韓国インターネットサービス大手・NAVER(ネイバー)との資本関係の見直しを求める行政指導をした問題を巡り、行政指導の内容に株式売却という表現がなかったことを確認したとする一方、日本政府が韓国企業にLINEヤフー株を売却するよう圧力をかけたと受け止められることに遺憾を表明した。

 同部の姜度賢(カン・ドヒョン)第2次官はこの日の会見で、「政府はネイバーを含む韓国企業が海外事業や海外投資に関していかなる不合理な処分も受けないようにするというのが確固たる立場」として、韓国企業に対する差別的措置や不当な措置に対して強力に対応すると強調した。

 また、ネイバーがLINEヤフーの株式と事業を維持するとの立場を示した場合、適切な情報セキュリティー強化措置がなされるよう支援すると明らかにした。

 科学技術情報通信部は、LINEヤフー株の中間持ち株会社であるAホールディングスの株式はネイバーとソフトバンクが50%ずつ保有しているが、取締役の構成などをみるとLINEヤフーの経営権は2019年から事実上ソフトバンクのコントロール下にあったと指摘した。

 さらに、ネイバーは自社の技術力とノウハウをLINEヤフーと共有することに困難を感じており、中長期的なビジネスの観点から株式売却を含めた代案を検討している状況だと説明した。

 韓国政府は昨年11月に利用者情報流出の報告を受けた直後からネイバー側と対応策を議論してきた。先月には在日韓国大使館を通じて日本の総務省に行政指導に対する事実関係を確認し、それ以降も外交チャンネルを通じて日本政府の正確なスタンスを確かめているという。