今年度で閉校になる山口県立岩国高校広瀬分校(大田真一郎校長)の生徒らが2日、地元の児童らと校内で最後の茶摘みをした。「最後の卒業生として、悲しい気持ちもあるけど楽しもうと思った」と同校3年、生徒会長の柴田結菜さん(17)は感慨深そうに言った。

 同校の正門横に茶の木が植えられ、200メートルほどの垣根になっている。同校の前身、広瀬農林学校が1941年に開校した後に植えられ、60年に製茶工場も校内に設置された。岩国高校広瀬分校として2008年に開校したが、生徒が減って今年度を最後に閉校が決まっている。

 茶摘みは同校と地元住民らとの恒例行事。今年も、同校と坂上分校の生徒、地元の錦清流小、ひろせ保育園の子どもら約100人が参加して、柔らかな新芽を手摘みした。1時間ほどで10キロの生茶葉を収穫した。校内で天日干しして製茶される。

 茶娘の着物姿で参加した生徒会長の柴田さんは「茶の葉のある限り、地元の人に受け継いでほしい」。副会長の岡崎杏さん(18)も「仲間と一緒にいられるのも今年限りなので、かみしめながら摘んだ」と話していた。(鈴木史)