野良猫と地域住民の関わり合い方は国によってさまざま。日本では地域猫活動を進めるケースが増えてきていますが、他の国や地域ではどういった取り組みが行われているのでしょうか。

中国南部の都市・広州で暮らしている日本人のNR(@NR_Guangzhou)さんが先日、下町の古い住宅街にある路地を歩いていると、野良猫のために用意された珍しいスポットを発見。それが「街猫」ボックスというスペースです。

ブラウン管テレビをくり抜いたような箱の中で、ゆったりと座って寛いでいる一匹の茶白猫。その下には猫が少しでも快適に過ごせるようにクッションや毛布などが敷かれているほか、横にある透明なプラスチック容器の中にはキャットフードが、更にその手前にはペットボトルを逆さにした水飲み場もあり、外猫が生きていくために必要な環境が用意されています。

NRさんの話によれば、この箱が置いてある場所は、日本で例えるとお地蔵さんが置いてあるようなちょっとした公共スペース。以前から野良猫が定着していたことから、設置したのではないかと思われるそうで、少し奥まった場所にあるため多少の雨風ならしのぐことができそうです。また、箱の側面にはQRコードが貼られており、スマホでスキャンすると、決済サービスを通じて猫の餌代を寄付することが可能。住民だけでなく偶然通りがかった人でも、外猫の生活をサポートできるような仕組みになっているようです。

とても素晴らしい取り組みの街猫ボックス。中国でどれくらい普及しているものなのでしょうか。目撃者のNRさんに聞いてみると「詳しいことは私も分かりませんが、他の方から上海に多いと聞きました。実際この街猫ボックスも上海の会社によるサービスのようでした。因みに広州ではこの1台しか見たことがありません。」と回答。

自身でも初めて見た猫用スペースとのことで、「餌代を簡単に寄付しやすくて良い取り組みだと思いました。」と街猫ボックスへの印象を語る一方、「箱には猫や餌にイタズラをしないよう、厳しい内容の警告ポスターが貼ってあったので、イタズラをかなり警戒しているようです。」ともコメント。確かに街猫ボックスの右端を見ると何やら注意書きがされているようです。