『孫は目に入れても痛くないほど可愛い』という概念が通用しないおじいちゃん・おばあちゃんは実在します。自分たちの理想にかなわない孫は可愛くないのでしょうか? 筆者の子ども達が実際に経験した、祖父母とのエピソードをご紹介します。

2人の息子

私には息子が2人います。
2人とも私に似てしまったのか、運動が苦手で、徒競走や持久走などはいつも後方。
運動会も華々しい成績を残すことはできませんでした。
義父母も最初の頃は、行事になると張り切って応援に来ていたのですが、上位に入賞できないことがわかると、途端に応援に来なくなりました。

対して義姉の息子は、運動神経抜群!
リレーの選手になったり、学校代表の選手に選ばれたりしていたので、義父母は大フィーバーでした。
義実家に集まるときも義姉の息子が最優先。
我が家の息子たちは同じ孫なのに、全て後回しにされていたのです。

受験

しかし、義姉の息子は高校受験を失敗し、ショックから引きこもりになってしまいました。
義姉はとても心を痛めていましたが、義父母は見て見ないフリ。
手のひらを返したように我が家の息子たちに執着し始めました。

我が家の長男は義姉の息子と1歳違い。
運動はからきしダメでしたが、次の年、高校受験では県内トップの高校に合格したのです!

すると義父母は「やっぱり私たちの孫ね!」と長男に急接近したのですが……。

息子たちの気持ち

ある日、長男のお祝いだと言って義父母が我が家に押しかけてきたときのことです。
「T高校なんてすごいじゃないか!」「頑張ったわね〜。」と浮かれている義父母に対し、長男は冷めた表情でこう言いました。

「おじいちゃんとおばあちゃんは、成績が一番大事なの? 何でも1位を取らないとダメって感じだよね。僕たちの学校行事には全然来なかったくせに、T高校に受かっただけですごい盛り上がってるよね。」

運動が苦手で一番になれないからといって全く見向きもせず、義姉の息子ばかりを可愛がっていた義父母に対し、息子たちは少なからず傷ついていたのでしょう。

拒否

小さい頃から差別され続けてきた我が家の息子たちは、義父母に対して嫌悪感しか持っていませんでした。
「合格のお祝いは何が良い?」と聞かれたのですが、長男は「結構です。」と断っていたほどです。

義姉の息子ばかりを可愛がってきたのに、引きこもりになったら知らん顔。
『勉強で一番を取った』我が家の長男に急に乗り換えたかったようですが、そんなにうまい話はなく、長男は見向きもしませんでした。

できる、できない関わらず、同じように可愛がってもらいたかったですよね。
勝手な理由で孫差別をした義父母。幼い頃の傷は、そう簡単には消せないようです。

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:RIE.K