8日午後4時10分ごろ、柏市の海上自衛隊下総航空基地で、P3C哨戒機が着陸した際に滑走路から逸脱するトラブルがあった。同機には海上自衛官12人が搭乗していたが、けが人は確認されていない。火災も発生しなかった。海自は原因を調べている。

 同基地の広報室によると、同機は潜水艦を探す哨戒機で、訓練のため基地を離陸した。基地の南側から着陸した際、滑走路東側の草地に逸脱して停止した。建物や基地敷地外への被害もなかった。トラブルを受け、同型機での訓練を見合わせている。

 同基地には海自のパイロットを養成する教育航空集団の司令部が置かれ、P3Cの搭乗員を教育する部隊もある。長さ2250メートル、幅45メートルの滑走路が1本ある。

 滑走路の西側道路で、同基地を離着陸する航空機の写真撮影をしていた男性(17)=柏市=は、滑走路に進入してきた同機を目撃したという。男性は「風にあおられてドリフトしているような感じだった」と当時の状況を説明。消防車両などが滑走路周辺に集まってきたが、火や煙は確認できなかったといい「大きな事故にならなかったようなので良かった」と話した。

 4月に基地近くに転居してきた男性会社員(32)は「飛行機がギリギリを飛ぶのも騒音も想定した上で引っ越したが、いざ事故を知ると怖さはある。人間が操縦するものなのでミスは起きるが、住民だけでなくパイロットの安全も重要なので気をつけてもらいたい」と語った。