米司法省(DOJ)、米財務省、商品先物取引委員会(CFTC)は11月21日、バイナンスとの間で43億ドルの和解を発表し、バイナンス創業者のチャンポン・ジャオ氏(通称CZ)が刑事および民事訴訟の一環として銀行秘密法違反で有罪を認めることに同意した。これにより仮想通貨市場は大きな変動に見舞われた。

米国のメリック・ガーランド司法長官は、DOJがバイナンス及びジャオ氏と43億ドルの和解に達したと発表した。この合意により、ジャオ氏は意図的に銀行秘密法に違反した罪を認めた。

ガーランド司法長官は金銭的な罰則に加えて、「今後、バイナンスは法律で要求されている疑わしい活動の報告を行う必要がある」と述べた。「同社は過去の取引を見直し、疑わしい活動を連邦当局に報告しなければならない。これにより、悪意のあるサイバー活動やテロ資金調達の刑事捜査が進展するだろう。これには、ハマスなどのグループを支援するために仮想通貨取引所が利用されるケースも含まれる」と話した。

記事執筆時点で、仮想通貨市場は大きく変動しており、ビットコイン(BTC)は1.79%の下落を記録し、36,700ドル近辺で取引されている。アルトコインも全面安の展開となっている。

市場内の急激な価格変動は、市場参加者が11月21日の米国の執行措置の詳細を理解しようとする過程を反映している。

仮想通貨市場にはウォール街の株式市場のような開場の鐘はないが、市場参加者やトレーダーは和解を広く認識しており、ガーランド氏の記者会見前にすでに価格が反応していた。バイナンスコイン(BNB)は5ヶ月ぶりの高値を記録した後、大部分の利益を消し、記者会見が行われる前に価格が下落した。

バイナンスに関する否定的なニュースにもかかわらず、同取引所のユーザーはプラットフォームから急いで離脱する様子はない。Glassnodeによると、バイナンスにおけるビットコインの純ポジション変化は、1月や7月の数値を大きく下回っている。

否定的な報道にもかかわらず、仮想通貨コミュニティはこの決定を一つの区切りとして歓迎し、業界全体が前向きな方法で前進できることを期待している。

ジャオ氏の辞任に伴い、バイナンスは11月21日にリチャード・テン氏をCEOに任命した。ジャオ氏は、テン氏が「会社を次の成長期に導くだろう」と話している。テン氏自身も「ユーザーを安心させ」、「規制当局と協力してイノベーションを展開していく」と話している。