明石家さんまとの初共演でも話題 “カメレオン俳優”として注目の味方良介

 演劇の舞台からテレビドラマ界に進出し、文字通りに“出まくっている”俳優がいる。味方良介だ。ドラマだけでも2022年は2ケタの10本、23年は7本、今年はすでに6本に出演。4月期のフジテレビ系連続ドラマ『イップス』(金曜午後9時)のレギュラーキャストなどで熱演を見せている。話題作に出演ラッシュの実力派。「より多くの人に必要とされ、長距離を走れる存在になりたい」と、さらなる決意を示している。(取材・文=吉原知也)

 東京都出身。2011年、ミュージカルコンサート『恋するブロードウェイ♪』でデビュー。舞台演劇では、17年に『熱海殺人事件』の主役・木村伝兵衛を史上最年少の24歳で演じるなど、故・つかこうへいさんの舞台作品に数多く主演している。2020年から本格的にテレビドラマへの出演を始めた。

 軟派から硬派まで、器用に役柄をこなす“カメレオン俳優”として評価されている。それだけに、近年の活躍ぶりは目覚ましい。22年は日本テレビ系連続ドラマ『初恋の悪魔』などドラマ10本、舞台2本。23年はドラマ7本、舞台1本、映画1本。24年はドラマ6本に加えて、1月公開の映画『劇場版 君と世界が終わる日に FINAL』にも出演。また、お笑い芸人の明石家さんまが主演を務め、4月下旬に放送されたフジテレビ系ドラマ『心はロンリー 気持ちは「…」FINAL』では、さんまとバディーを組む刑事役で初共演を果たした。ストーリーに引き込む演技力が光り、好評を博した。

 今年はさらなる出演作が控えている。高い演技力にオファーが絶えず、まさに引っ張りだこだ。

 ノリに乗っているが、本人はいたって謙虚。冷静に受け止めており、「勢いに乗っているかどうかは自分で判断しにくいところではありますが、多くの作品に携わらせてもらえるのは素直にうれしいですし、ありがたいです」と話す。

 役者としてのポイント・強みを改めて聞くと、「昔から自慢できることや得意なことというのは少なかったように感じますが、人との出会い、縁や運を大切にしています」。周囲への感謝の思いを持ち続けているといい、「自分に関わってくれた人が皆さん頼りになる方たちばかりなので、そこは役者としてだけでなく人間としての強みです。1人で頭でっかちに考えすぎず、相談できる人たちがいることに救われています。これから先もさまざまな経験をして“これだけは負けない”というものを1つでも多く身につけていきたいです」と、言葉に力を込める。

 今年10月で32歳になる。プライベートでは、2年前にアイドルグループ・℃-uteの元メンバーで俳優の矢島舞美との結婚を発表。人として成長を続け、より力強い将来像を描いている。

「舞台中心で走り回っていた時は未来像だったり、近い目標、遠い目標を立てて、そのために必要なことにたくさんトライしてきました。舞台での夢や目標はブレずに持ちつつ、映像の世界では歩み出したばかりですが、自分なりに未来像を描いて、より多くの人に必要とされ、長距離を走れる存在になりたいと常々考えています。30代になり、家庭もできて今まで以上に視野を広げ、日々新たなことにチャレンジしていけたらうれしいです」。

 次はどんな作品で、どんな役になりきり、視聴者を驚かせてくれるのか。ブレーク俳優の今後が楽しみでならない。吉原知也