北陸新幹線の福井県内開業後初めて開かれた4月20、21日のサンドーム福井での大型コンサートについて、福井県が周辺駅などの利用状況をまとめた。20日の行きはハピラインふくい鯖江駅を1030人が利用する一方、北陸新幹線越前たけふ駅と会場の臨時駐車場を結ぶシャトルバス(有料)は86人にとどまった。特急廃止で特に帰りの混雑が心配された鯖江駅で混乱はなかったが、県は「車の利用が多かった。検証した上で今後の対策に生かす」としている。

 ▼来場は8000人…「SEKAI NO OWARI」コンサート

 コンサートを行ったのは人気ロックバンド「SEKAI NO OWARI」。県によると、両日ともに約8千人が来場した。

 鯖江駅からサンドーム福井までは徒歩約20分。新幹線開業前はコンサートのたびに特急利用客の乗降が多かった。県によると、20日の鯖江駅利用は行きが1030人、帰りは830人。21日は行き920人、帰り680人とやや少なかった。迎えの車で帰る人や宿泊客もいたとみられる。

 ハピラインふくいは公演前後に臨時列車を上下線で運行。20日は午後8時25分ごろに終演し、帰りの客がぞろぞろと鯖江駅を訪れたが、混雑で電車に乗り遅れる人の姿は見られなかった。福井方面はホーム直結の臨時改札も設けた。

 鯖江駅などで道案内したボランティア団体「鯖江おせっ会もてなし隊」の一人は「予想より全然少なかった。特急のことなどを事前に調べて、鯖江駅とは違う交通手段を選んだ人もいたのでは」と話した。

 ▼想定を若干下回る

 サンドーム福井から約5キロの北陸新幹線越前たけふ駅では、福井鉄道が駅発着のシャトルバスを運行し、20日の行きが86人、帰りは69人の利用にとどまった。21日の行きは98人、帰りは105人。新幹線の利用も限定的だったようだ。

 両日とも終演後は10分間隔で運行したが、県によると、終演から約40分以降は利用がなかった。県の担当者はダイヤ再考の余地があるとする一方、「周知が行き届けば、利用が増える可能性もある」とみる。

 福井鉄道福武線サンドーム西駅の利用客は20日の行きが132人、帰りは70人、21日の行き51人、帰り52人だった。鯖江駅などに職員を配置した鯖江市の佐々木勝久市長は4月26日の定例記者会見で「ハピライン、福鉄の駅利用者数は想定を若干下回った。関係者の尽力で混乱はなかった」との認識を示した。