©︎IMAGO/PA Images

 2021年にトーマス・トゥヘル監督が就任した直後、突如ヨーロッパトッククラブへと急浮上したのと同様に勢いで、2022年9月にクラブを後にした後には急激に、平凡なクラブへと様変わりしてしまった。米国から来た新オーナー、ボーリー氏が巨額を注ぎ込み構築したチームは今のところはまだ功を奏しておらず、むしろスタンフォード・ブリッジではかつての名声を築いた時代への懐古、つまりは旧オーナーのアブラヒモビッチ氏とモウリーニョ前監督時代を想起しているところ。

 ただそれは再建を進めるマウリシオ・ポチェッティーノ監督にとっては好ましいことではなく、「自分たちが20年前と変わらぬチェルシーだという考えを止めるべきだ」とコメント。あくまで「現在のプロジェクトへの集中」を強調しており、実際に同等の巨額が注ぎ込まれそのプロジェクトは継続されているのだが、今はプレミアリーグ11位。

 残留争いよりも欧州の方が距離は近いとはいえ以前とは程遠い立場であることに変わりはないだろう。最近ではウォルバーハンプトン、リバプール戦でも4失点を喫した。それでも水曜夜に開催されたFA杯4回戦アストン・ヴィラ戦では、敵地に足を運んだサポーターは数で不利であっても決してホームに負けない声援を送っており、選手たちも「我々は戦う、それを今日示した」とポチェッティーノ監督は評価。果たしてここからチームが立ち上がるのか。急激な変化がもつ可能性の大きさは良い意味でも悪い意味でも実証済みだ。