横綱だった祖父のしこ名に琴ノ若から改名した大関・琴桜は30日、千葉県松戸市の佐渡ケ嶽部屋で記者会見し、「優勝を目指さないといけない。自分の相撲をきっちり取ることが大事だと思う」と大相撲夏場所への意気込みを語った。

 小学生の頃、琴桜のしこ名を襲名できるか先代師匠の祖父(2007年死去)に聞いたところ、「大関から」と言われたという。父の佐渡ケ嶽親方(元関脇・琴ノ若)から勧められ、大関2場所目での襲名について「思ったよりも実感がない。自分の手でつかめた。約束を守れたのは良かった」と話した。

 祖父は32歳で横綱に上り詰め、頭から激しく当たって力で押していく出足に威力があったことから「猛牛」の異名を取った。26歳の大関は「先代に追いつきたいと思っている。そこがつかめる地位に来られた。上がれるようにやっていく」とさらなる成長を誓った。

 ピンク色の着物姿だった琴桜との会見に同席した佐渡ケ嶽親方は「呼びにくいですね。私の師匠(のしこ名)ですから」と周囲の笑いを誘った。さらに「桜は縁起のいい花とされている。花といえば桜、相撲といえば琴桜。強いと愛される力士になって、育ってほしい」と期待した。【武藤佳正】