神奈川の老舗アートカンパニーの一つとして知られている藤急送。単にクルマを飾るだけではなく、会社ぐるみでハンドメイドアートを楽しんでいるのがこの会社の特徴だ。そんな藤急送から、また1台華やかなアートダンプが登場した。老舗アートカンパニーが手がけたクルマらしい、味わい深いアートをさっそく見ていこう。

何よりもクルマ全体を華やかに見せているのは、荷台周りに張り巡らされたバラ柄のエッチングステンレス。プロテクサイドを含む荷台3面と極太仕様のサイドバンパーは、すべてこのエッチングステンレスで統一。欧文ロゴや荷台マーカーを組み合わせたディテールフィニッシュも見事だ。

そして、華やかな荷台部分に対し、キャブアートでは力強さを強調。特にドッシリと安定感あふれるフィニッシュをみせるキャデラックバンパーは、ダンプの力強さをクローズアップする絶好のアートアイテム。名工・ヤマモトらしいしっかりとした仕上がりが、一際存在感を放っている。 トップパートには平型2段バイザーと角おこしパイプ4本仕様のミラーステーを配置し、キャデラックバンパーと抜群のバランスを見せる。しかも、この二つのパーツは藤急送社員のハンドメイドというから驚きだ。さらに桜柄をあしらったアンドン、プロテク背面のペイントも社員のハンドメイド。まさに会社ぐるみで仕上げた1台なのだ。

また、プロテクトップの3連アンドン、フロントパネルの弁当箱アンドンにグリルアンドン、これらのパーツでさりげなく懐かしい雰囲気をかもし出しているのも心憎い演出。あえてレトロを前面に出さず、あくまでもさりげなく装っているところにこのクルマのアートの奥深さを感じさせる。

【写真6点】老舗アートカンパニーが手がけたクルマらしい味わい深いアート。

カミオン2010年8月号トップアートをもとに再構成